小林可夢偉(ザウバー)が、自身の公式ウェブサイトのレースレポートを更新。ポイント獲得圏内の8位でレースを終えながら、ウイングの技術違反で失格処分を受けたオーストラリアGPを振り返った。
レース翌日にもブログで失格の悔しさを語っていた可夢偉だが、あらためてその悔しさをつづっている。
「1レース目からチームメイトと揃(そろ)ってポイントを獲(と)れたと思っていたので、すごく悔しいです。ただチームはもう控訴をしないと決めたので、とにかく次のマレーシアに頭を切り替えて、この気持ちをぶつけるレースをしてやろうと思っています」
「ポイントは失いましたが、週末の内容としては、去年の開幕戦とはえらい違いで、成長を感じてもらえたと思います。僕としては完璧(かんぺき)なレースだったというよりは、まず無難に最初のレースを終えたという感じでした」
可夢偉によると、25日(金)のフリー走行でも冬からのテストを引き続き行っており、クルマのセットアップに取り掛かったのは26日(土)の予選前に行われたフリー走行からだったという。そんな状態だったものの、可夢偉はトップ10で戦われる最終セッションに進出。可夢偉は結局、9番グリッドを獲得し、決勝への期待も高まっていた。
しかしその決勝では、現在のF1で標準的なシステムになっているシームレスシフトにトラブルが起きていたようだ。このシステムは、ギアチェンジを瞬時に行うことで、変速によるパワー伝達のロスをなくし、タイムを向上させるもの。可夢偉は決勝について、次のように振り返った。
「決勝は、実はスタート前からシームレスシフトがおかしくて、レース全部をシームレスなしの普通の変速で走っていたんです。これがけっこう痛くて、だから完走出来てよかったし、ポイントが獲(と)れてよかったとも思っていました」
「目の前でバリチェロ(ルーベンス・バリチェロ/ウィリアムズ)とロズベルグ(ニコ・ロズベルグ/メルセデスGP)がぶつかりましたが、あのとき僕がKERS(運動エネルギー回生システム)全開で ルーベンスに仕掛けてたんです」
「でも、このままいったらルーベンスがやばいなと思ってたので、逃げる体勢は作ってました。ただ、スピンしてどこにくるかわからなかったのでギリギリでしたけどね」
結局は失格処分を受けた可夢偉だが、次戦マレーシアGPでは、日本へ元気を与えるようなレースをしたいと語っている。
「こういう結果になってしまいましたが、チームはいい仕事をしてくれたと思います。ペレス(セルジオ・ペレス/チームメート)も立派でした。とにかく僕たちのこれからの18戦を楽しみにしていてください。次こそは必ずみなさんに元気を与えられるレースをしたいと思います」