ザウバーのチーム首脳陣が、同チームから今年F1デビューを果たしたセルジオ・ペレスがオーストラリアGPで見せたパフォーマンスを絶賛した。
リアウイングの技術違反により、結局は失格に終わったものの、オーストラリアGP決勝を13番手からスタートしたペレスは、1回しかタイヤを交換しないという作戦を成功させ、チームメートの小林可夢偉を上回る7位でレースを終えた。
このレースを1回のタイヤ交換で走りきったのはペレスのみ。フェラーリの2台やマーク・ウェバー(レッドブル)などは、3回もタイヤ交換を行っていた。
この戦略を見事に成功させたペレスの走りについて、ザウバーのチーム代表ペーター・ザウバーは次のように『Autosport(オートスポーツ)』へ語った。
「確かに私も驚かされたよ。われわれは昨シーズン、GP2で彼がいい働きをしているのを見ていたので、私の第一印象は問題ないというものだった。また、シーズン前のテストでも彼には満足していたが、レースでの彼は傑出していた」
「使い古したソフト側のタイヤで35周も走るなんて信じられない」
ザウバー代表によると、1回しかタイヤ交換を行わないという戦略を、レース前にも1度だけ検討したという。だが、その場では不可能だと考えられていたようだ。
「決められていたことではなかった。2回か3回タイヤ交換を行う予定で、そのタイミングを探っていた。だが、40周を過ぎてもタイムがよく、(1回のみのタイヤ交換が)可能ではないかと話し始めた。レースエンジニアもセルジオと話し、彼も最後まで走るのは可能かもしれないと答えてきたのだよ」とザウバー代表は振り返っている。
また、ザウバーの技術責任者ジェームス・キーも、デビューレースでペレスが見せた走りを高く評価した。
「ルーキードライバーの初レースとしては見事だ。彼が速いことはわれわれも感じていたが、ソフト側のタイヤで38周を走るなど、誰もが不可能だと思っていたことであり、これを成功させるなんて素晴らしい」とキーはコメントしている。
ペレスが1回のみのタイヤ交換という戦略を成功させる一方、チームメートの可夢偉は、瞬時にギアチェンジを行うシームレスシフトと呼ばれるシステムにトラブルが発生し、このシステムを使わずにレースを戦っていた。
その可夢偉も、自身の公式ウェブサイトに掲載したレースレポートの中で「ペレスも立派でした」とペレスの走りを称賛している。