世界的飲料メーカーのレッドブルは、アメリカの人気レースシリーズNASCARへの参戦を打ち切る決断を下したようだ。
華々しい成功をおさめたF1との比較において、NASCARでの失敗は撤退を決断すべきものと非難の対象になっていた。アメリカのメディアが今週はじめに伝えたところによれば、NASCARのスプリント・カップに参戦しているレッドブル・レーシングのチームスタッフに、今季いっぱいでチームを解散することが伝えられたという。
チーム関係者は「出資者との間で交渉が行われているところで、まだ詳細についてコメントできる状態ではない」としているが、どうやら来季以降はNASCARレースからレッドブルのロゴが消えてしまうことはほぼ確実のようだ。
NASCARの内部関係者らによれば、ノース・カロライナに拠点を置き、元F1界の大物であるギュンター・シュタイナーが率いるレッドブルのNASCARチームは、デビューした2007年からここまでずっと苦戦が続いている。
『Toronto Sun(トロント・サン)』は、レッドブルのオーナーであるディートリッヒ・マテシッツがこのNASCARチームに以前から不満を抱いていたと伝えている。
また、『USA Today(USAトゥデイ)』によれば、F1におけるマーケティングの第一人者、ジャスト・マーケティング社のザック・ブラウンも次のように述べている。
「NASCARにおける彼らは、全く成功のレベルに到達していない。もちろん、彼らはそうなることを望んでいるはずだが」
「逆に、F1では大成功を収めているが、私に言わせれば、それは両方(F1とNASCAR)のコンビネーションの問題だと思う。NASCARに対してF1と同等の感動と情熱が注がれていたかどうかはわからないがね」
「ディートリッヒは勝者であり、結果が出ないことを続けようとはしない」
ブラウンはまた、レッドブルが北アメリカでの予算の使い道として、来年オースティンで開催されるF1アメリカGPのタイトルスポンサーとなることを選択するだろう、とも述べている。
「アメリカGPがNASCARと同等の大きさ、規模であるとは言わないが、レッドブルはただ単にNASCARから手を引くのではなく、F1で、あるいはタイトルスポンサーとしてその穴を埋めようとするだろう。アメリカは彼らにとって、とても大きな市場だからね」