フェラーリのチーム代表とは、「台風の目」に身を置くようなもの。このように形容するのは、前チーム代表のジャン・トッドだ。
フランス人のトッドは現在、65歳。数年前、ステファノ・ドメニカリにチーム代表の座を譲り、現在は統括団体FIA(国際自動車連盟)で、比較的おとなしく会長を務めている。
フェラーリは、F1で最も名の通ったチームであり、イタリアが誇る国のシンボルと言っても過言ではない。そんなフェラーリが最後にドライバー部門のタイトルを取ったのは4年前。ドライバーはキミ・ライコネンだった。2012年は、これまでの雪辱を果たすときだ。
フェラーリを率いるのは、いったいどのようなものだろうか。トッドは28日(水)に掲載された『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』紙とのインタビューで、次のように語っている。
「ステファノの役回りは、自ら進んで台風の目に飛び込むことさ。私も、常に批判の対象にされた。いつクビが飛ぶか分からない中、フェラーリの長たるもの、かくあるべしという形で身を引く決断を下したことを誇りに思っているよ」
新しい1年を前にしてフェラーリは、攻撃的に来季を戦うと宣言。トッドは、2011年のフェラーリをどのように見たのだろうか?
「マシンに競争力がなかったという者もいるね。しかし、私はそう思わない。レッドブルほどの出来ではなかったが、良いマシンであったことは間違いないよ」
トッドは、解雇のうわさが絶えないフェラーリドライバー、フェリペ・マッサについてもコメントしている。マッサは、ミハエル・シューマッハのチームメートとして、2006年にトッド自らザウバーから引き抜いたドライバーだ。
マッサのマネジメントを担当するのは、トッドの息子、ニコラ。フェラーリとは2012年末まで契約が残っているものの、2013年のシートを確保するには、かなりつらい状況にある。
「フェリペは、新しいピレリタイヤへの適応が完全ではなかったね。彼は今でも良いドライバーだと思う。彼の活躍は、また見られるよ」
「アロンソ(フェルナンド・アロンソ/フェラーリ)は、マッサだけでなくすべての者にとって指針となるドライバーだ。フェリペは、アロンソからコンマ3秒離されただけだ。3秒じゃない」