ドイツ人ドライバーたちに着目するフェラーリ

2011年12月25日(日)

エイドリアン・スーティルはフォース・インディアから放出されたことによって、“赤い道筋”が見えてきたかも知れない。

2011年のシーズン、フェラーリのフェルナンド・アロンソが257ポイントを獲得してドライバーズランキング4位に食い込んだ一方、同じくフェラーリのドライバーであるフェリペ・マッサは通算118ポイントで自身にとっては不本意、周囲にとっては明らかな期待外れという結果になってしまった。2012年限りでフェラーリとの契約が終結するマッサにとって、2012年はまさに力量が試される1年となりそうだ。そんな中、フェラーリの会長ルカ・ディ・モンテゼモーロはすでに数名のドイツ人ドライバーに注目していると認めた。

モンテゼモーロがコメントを発する以前から、メディアはスーティルの将来的なフェラーリ入りに関しての報道を行っていた。現在、スーティルはウィリアムズとの交渉中とされているが、2013年のフェラーリ入りを画策しているスーティル側はウィリアムズに2012年のみの単年契約を要求していると伝えられている。あるいは2012年シーズンは1年間リザーブドライバーとして過ごすのではないかとも言われている。

『Bild(ビルト)』紙は「もちろん、われわれは将来に向けての計画がある」というモンテゼモーロの発言を掲載している。同紙はスーティルがフェラーリの有力候補のように考えているが、モンテゼモーロはもうひとりのドイツ人ドライバーの名も挙げており、「私としてはロズベルグ(ニコ・ロズベルグ/メルセデスGP)がお気に入りだ。聡明(そうめい)だし、着実に実力もつけてきている」と語っている。

その一方で『Auto Motor und Sport(アウト・ モートア・ウント・シュポルト)』は、「彼(ロズベルグ)以外にも2名の若く、有能なドイツ人ドライバーがいる」というモンテゼモーロの発言を取り上げ、フェラーリはスーティルと、スーティルに替わってフォース・インディアのレースドライバーを務めるニコ・ヒュルケンベルグも新しいドライバーの候補として考えていると報じた。

では、今年の2月にラリーで瀕死(ひんし)の重傷を負い、2011年シーズンのレースには一度たりとも出走できなかったが、昨年までは非常に高い評価を獲得していたロバート・クビサ(ロータス・ルノーGP)の可能性はどうなのか。

「彼(クビサ)もフェラーリのドライバー候補のひとりだが、どのように例のアクシデントから立ち直るかを見守る必要がある」とクビサに関しての可能性もモンテゼモーロは認めた。

フェラーリの将来的なドライバー交代に関してのうわさは尽きないが、モンテゼモーロは現時点のドライバーのマッサの擁護もしており、「われわれのドライバーたちはベストだ。ドライバーたちが問題なのではない。われわれには勝てる競争力があるクルマが必要なのだ」と強調した。

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