2011年F1開幕戦オーストラリアGPの予選Q1で、トップから107%以内のタイムを記録できなかったヒスパニア・レーシング(HRT)は、決勝へ出場できないことが確定した。
昨年は、新規参戦した3チームと既存チームのパフォーマンス差が大きく、著しく遅いクルマが混在する中でレースを戦うのは危険だという意見があった。そのため、今年のF1には107%ルールが復活した。
このルールは、予選Q1のトップから107%以内のタイムを記録できなかった場合、決勝への出場を認めないというもの。HRTは、新車での事前テストなしでオーストラリアGPを迎え、予選までにも数周しか走行できず、予選Q1でトップから107%以内のタイムを記録することはできなかった。
ルールでは、急激な天候の変化やトラブルなどを想定し、フリー走行で決勝出場が妥当と判断できるタイムを残していれば、特例措置として決勝出場を認めることも可能と規定されている。そのため、HRTはF1で審判のような役割を果たすスチュワードへ、特例の適用を求めていた。
しかし、HRTはフリー走行でもまともに走行できておらず、スチュワードはHRTの求めを却下。これにより、オーストラリアGP決勝は22台で戦われることになる。
HRTのチーム代表コリン・コレスは、「このクルマには、今日見せたよりも格段に速いペースで走る性能がある。(第2戦の)マレーシアでは、さらに強くなった状態で戻ってくる」とコメントした。
また、HRTのドライバーであるビタントニオ・リウッツィは、「ルールはルールだよ。今はもう、次のレースに集中している」と語った。