小林可夢偉、F1マレーシアGPの走りで「自信がついた」

2011年04月12日(火)

2011年のF1第2戦マレーシアGPで今季の初ポイントを獲得した小林可夢偉(ザウバー)。開幕戦では技術違反による失格処分によってポイントを果たせなかったが、今回もいい走りをできたことで自信がついたと語っている。

マレーシアGPで最大の話題になっていたのはピレリタイヤ。開幕前のテストでは、暑いコンディションでのテストができていなかったことから、気温の高いマレーシアでタイヤがどんな反応を見せるのか注目された。可夢偉もタイヤのことが気になっていたようで、自身の公式ウェブサイトに掲載したレースレポートにこう書いている。

「ピレリタイヤを暑いなか走らせるのが初めてなので、タイヤのバランスがどうなるのかが気になっていました。予測を裏切ってくれるタイヤなので、走る前にあまり予測はしないでいたんですが、フリー走行で走ってみるとやっぱり暑さのせいで、これまでとはずいぶんとバランスが変わってました」

その後、3回のフリー走行を通じて、少しずつクルマのセッティングを好みに近づけていったという可夢偉。しかし、予選までに100%満足できる状態にはできなかったようだ。だが、予選になると状況が一変したと可夢偉は振り返る。

「それが予選になったらいきなり、何かが起きたように一発目からタイムが出た。このタイヤはラバーが路面に乗っていく感覚があまりなくて、本当は路面がよくなってはいるんでしょうけど、なかなかそういうイメージを感じづらくて、タイムが勝手に上がっていく感じでした」

そして、開幕戦の予選で新品のソフト側タイヤを最終セッションに残せていなかった経験を生かし、今回は予選の戦略を変えて最終セッションに新品のソフト側タイヤを残すことができた。また、予選Q2で2回目の走行はほぼ完ぺきに近い走りをしていたようで、「もう1回あのタイムを出せと言われたら厳しい」と可夢偉は語っている。

こうして2戦連続で予選最終セッションに進出した可夢偉。タイヤを残せたことについては、「自信をもって予選でこういうタイヤの使い方ができるというはすごく良い方向に進んでいると思います」と書いた。

そして迎えた決勝では、ポイントを獲得したドライバーの中で唯一、タイヤ交換を2回のみにする戦略を成功させた。タイヤ交換を3回にしていても順位は変わらなかっただろうと予想しつつも、メルセデスGPと互角の戦いができたことがチームとしては大きいことだと可夢偉は加えた。

「やっぱりトップチームとのクルマの速さの違いというのは、すぐにはどうしようもないんですけど、いまメルセデスと戦えているというのはチームとしては充分な状態だと思うし、これからも、しっかりとポイントをつかんでいけるような、そういうクルマをつくりたいと思ってます」

開幕戦でもいい走りを見せ、ポイント獲得圏内でレースを終えながらも、失格という思わぬ形でポイント獲得を逃していた可夢偉。今回ポイントを獲得したことで可夢偉も安心したようで、次のようにレースレポートを締めくくった。

「とにかく今シーズン、チームの初ポイントを獲(と)れてよかったです。前回からの流れで今回もし成績が悪かったら、ちょっと辛(つら)いと思ってましたし。でも、前回に続いて優秀な成績を残せたというのはよかったし、これで自信もついたし、このまま続けていきたいですね」

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