今年からタイヤ・サプライヤーとしてF1に参加しているピレリだが、同社でモータースポーツ責任者を務めているポール・ヘンベリーが、関係者の間でうわさされていた予選用タイヤの復活について、検討課題のひとつであることを認めた。
予選用タイヤは、1991年シーズンまで使われていたが、それ以降禁止されてきた。1周分の走行しかもたないが、1発のタイムアタックで最大限のスピードを出すというタイヤだ。
6月の報道では、ピレリがスピードを大幅にあげることを計画していることが明らかになり、現在の「スーパーソフト」よりもさらにソフトで高いグリップ力がある予選用タイヤもそのなかのアイデアのひとつだという。
また、イギリスのメディアによれば、最も早くて2012年からこのような予選用タイヤが供給されるかもしれない。だがヘンベリーは明言を避け、次のように話した。
「最終的に決定を下すのは各チームだ。そんなタイヤは不要だというかもしれない」
さらに自身のツイッターでもフォロワーからこのタイヤについて聞かれ、同様に回答している。従来のソフトタイヤと比べ、どれくらい速度があがるのかという質問に対しては、「まだ正確には分からないが1周あたり2秒程度だと思う」と答えている。
ヘンベリーは期待の高まる返事をしたが、ホイールのリムサイズが18インチ、リアタイヤの幅が15インチのタイヤについて具体的な計画には至っていないとした。
「テスト用マシンが必要になるし、どのチームもあまり興味がなさそうなんだ」
今季は、2010年までタイヤ・サプライヤーだったブリヂストンと同じ13インチのリムサイズが採用されているが、長期的にはホイールのリムサイズを大きくし、偏平率の低いタイヤを導入することもピレリは以前から検討している。
ヘンベリーは、良い夏休みを過ごしているかということにかんして「最高だよ。ゆっくりしながら本を読んで、ビールを飲んで。こういう休みが必要だったんだ」と、即答し締めくくった。