F1第14戦シンガポールGP、レースレポート

2011年09月25日(日)

2011年F1第14戦シンガポールGP決勝が、25日(日)の現地時間20時(日本時間21時)からマリーナベイ・ストリート・サーキット(1周/5.073km)で行われ、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が圧倒的な強さで優勝。小林可夢偉(ザウバー)は14位だった。

レース開始時の天候は晴れ、気温31℃、路面温度は33℃。ポールポジションのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)がうまくスタートを決めると、2番手スタートのマーク・ウェバー(レッドブル)はやや出遅れ、4番手に後退。3番手スタートのジェンソン・バトン(マクラーレン)が2番手、5番手スタートのフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が3番手に浮上した。

スタートでトップを守ったベッテルは、一気に2番手バトンとの差を広げ、3周が終了した時点で両者の差は4.4秒に。一方、17番手スタートの小林可夢偉(ザウバー)は1つ順位を上げて16番手を走行している。その後、抜きにくい市街地コースということもありレースはこう着状態に。しかし、ベッテルはバトンとの差を広げ続け、9周目終了時には10.9秒にまで広がった。

10周目、ウェバーがアロンソを抜いて3番手へ。そして、この周の終わりにアロンソがピットイン。ソフト側のタイヤからハード側に交換した。12周目終了時には、4番手フェリペ・マッサ(フェラーリ)と5番手ルイス・ハミルトン(マクラーレン)がピットイン。ピットアウト直後、7コーナーへのブレーキングでハミルトンがマッサに並びかけたものの抜ききれず、立ち上がりでハミルトンはマッサに追突してしまう。これにより、マッサはリアタイヤがパンク、ハミルトンもフロントウイングを壊した。

13周目終了時にウェバーがピットイン。また、マッサがパンクしたタイヤを交換するために再びピットへ。ハミルトンはフロントウイングの左側が大破している状態で走り続けていたが、13周目終了時にピットへ入り、フロントウイングとタイヤを交換した。

14周目終了時には、トップのベッテルと2番手バトンがピットへ。ベッテルとバトンはそれぞれ、トップと2番手のままコースへ復帰。そして、ハミルトンは接触の原因を作ったとしてドライブスルーのペナルティーが科され、15周目終了時にペナルティーを消化した。

22周目、15番手にまで後退していたハミルトンが、可夢偉を抜いて14番手に。また、4番手のウェバーが3番手アロンソの背後につき、追い抜きの機会をうかがっている。アロンソは25周目終了時に2回目のピットストップを行い、4番手でコースへ復帰した。

29周目、ニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)が最終コーナーでミスをして膨らみ、セルジオ・ペレス(ザウバー)に抜かれてしまう。その後、ロズベルグはペレスを抜き返し、ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)も7コ-ナーでペレスに並びかけたものの抜けず。シューマッハは次のコーナーでペレスを抜こうとしたが、ペレスに追突。シューマッハのクルマは浮き上がってコントロールを失い、タイヤバリアに突っ込んだ。

このクラッシュによってセーフティカーが導入され、上位勢も全車が2度目のピットストップを行った。シューマッハのクラッシュにより、多数の破片がコース上に散乱したため、やや長めのセーフティカー導入となり、レースは34周目から再開となった。

トップのベッテルと2番手バトンの間に周回遅れのクルマが数台いたこともあり、レース再開時からベッテルはバトンに対して大きな差をつける。レーススタート時と同様、ベッテルが一気にバトンとの差を広げていき、35周目終了時には10秒差になった。

41周目終了時、可夢偉がドライブスルーのペナルティーのためピットレーンへ。周回遅れになる際に出される青旗を無視したためのペナルティーだ。47周目終了時、ウェバーが3回目のピットストップ。ウェバーはハミルトンの後ろ、5番手でコースへ戻ったが、ハミルトンはかなり周回を重ねたソフト側タイヤを装着しており、もう一度ピットインすると思われる。

しかし、ピットアウト直後にウェバーはハミルトンを抜いて4番手に浮上。また、バトンも3回目のピットストップ。続けてハミルトンもピットへ戻り、タイヤを交換した。これに合わせて49周目終了時にベッテルとアロンソもピットインしてタイヤ交換を行った。

ピットストップ後もベッテルはバトンよりも速いペースで走行し、52周目終了時にはベッテルとバトンの差が12.7秒に。その一方、後方ではハミルトンが徐々に順位を上げ、6番手にまで浮上してきた。

残り数周となったところで、バトンがファステストラップを更新しながらベッテルを追い上げる。残り3周で両者の差は3.7秒に。ベッテルは周回遅れのクルマを抜かなければならず、タイムを落としていた。しかし、今度はバトンが周回遅れの処理に手間取ってしまい、残り2周の時点でタイム差は5.6秒に広がった。

その後、ベッテルが周回遅れのクルマに前をふさがれてしまったものの、無事にトップでチェッカーフラッグを受け、ポール・トゥー・ウィンを達成。このレースでタイトル確定の可能性もあったが、結局は確定せず。ベッテルのF1連覇確定は、次戦の日本GP以降へ持ち越された。

可夢偉は14位でレースを終えている。

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