セバスチャン・ベッテル(レッドブル)もルイス・ハミルトン(マクラーレン)も、さっさと「近道」を通って下積みもそこそこにF1に駆け上がった。そう語るのは、26日(水)にフォース・インディアからのF1デビューが発表されたルーキー、ポール・ディ・レスタだ。
スコットランド出身の24歳、ディ・レスタは、2006年にベッテルを下しユーロF3のタイトルを獲得後、いったんフォーミュラカーを離れてDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に転身、昨年チャンピオンとなっている。
「焦りがあったとは言わないけど、彼ら(ベッテルとハミルトン)は僕より楽をしたと思う」と、ディ・レスタ。マネジャーはハミルトンの父、アンソニーが務めている。
「二人にはそれぞれ異なる後ろ盾があった。そのおかげで、ちょっと早くF1に行けたんだ。そうして見ると、僕よりツキがあったよね。でも、ようやく僕もたどり着いた」
二人の若き王者にも動じないと、ディ・レスタは次のように言う。
「えらそうに言いたくはないけど、二人は僕とレースをすることなくタイトルを取ったんだ。僕らは過去に何度も激しいバトルを繰り広げている。これからは、僕だって以前と同様の戦いをしたいね」
しかし、ディ・レスタにとってF1で最初の標的は、フォース・インディアの絶対的ファーストドライバー、エイドリアン・スーティルだ。
「いきなり彼と同じか、もっと速いペースで走りたい」と、力強く宣言するディ・レスタだった。