レッドブルのモータースポーツコンサルタントであるヘルムート・マルコが、復調の兆しを見せるルイス・ハミルトン(マクラーレン)に対して危機感を募らせている。
今年、波乱続きのシーズンを送ったハミルトンだが、先日のアブダビGPでは見事優勝を飾り、表彰台でトロフィーを高々と掲げ、久々の笑顔が印象的だった。
アブダビGPではセバスチャン・ベッテル(レッドブル)がタイヤのパンクにより無念のリタイアとなったが、ベッテルのリタイアがハミルトンの上機嫌を助長したのではとマルコは考えているようだ。マルコはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、次のように語った。
「もうしばらくハミルトンが不調でいてくれても構わなかった」
「ハミルトンが100%の復活を遂げると、われわれにとって強力なライバルとなる」
また『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、今季徐々に調子を上げ、レッドブルと優勝を争うまでに仕上げたマクラーレンを、フェラーリやメルセデスGP以上の脅威だとマルコやレッドブルが感じていると伝えた。
マルコも「彼ら(フェラーリやメルセデスGP)は小犬がケンカしているようなもの」と余裕の笑みを見せるが、マクラーレンは別格のようだ。
「マクラーレンはどんな危機からもはい上がる、真のレースチームだ」
マクラーレンの2012年に向けた目標は、ここ数年辛酸をなめさせられたレッドブルに追いつくことではなく、レッドブルを追い抜くことだ。マクラーレンは、シーズン序盤から「勝てるクルマ」で攻めていくことを目指しており、ハミルトンも次のようにコメントしている。
「僕らのマシンは“最終的に”レッドブルのレベルに追いついた、というのが常だった。でもこれからは、もっと早くその域に到達できるようになりたいね」