2011年のインディカー・シリーズが27日(日)に開幕。2010年チャンピオンであるダリオ・フランキッティが優勝し、佐藤琢磨は自己最高となる5位で開幕戦を終えた。以下、ホンダのプレスリリースより。
2011年IZODインディカー・シリーズの開幕戦Hondaグランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグは、快晴の下でスタートが切られた。好天に恵まれ、グランドスタンドに多くのファンが陣取るなか、シーズン最初のレース、最初のラップ、最初のコーナーで6台が絡む多重アクシデントが発生した。マルコ・アンドレッティ(Andretti Autosport)のマシンは裏返り、優勝候補のエリオ・カストロネベス(Team Penske)、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)らもマシンに大きなダメージを負った。
ポールポジションからスタートしたウィル・パワー(Team Penske)は、このスタートではトップを守ったが、4周目に切られたリスタートで予選2番手だったダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)にパスを許した。そして、そこからはフランキッティが見事なまでに安定したハイペースで走り続け、2回のピットストップもチームが完ぺきにこなしたことから、2位以下をまったく寄せつけずにゴールまで走りきった。フランキッティ、Chip Ganassi Racingの両方にとって初めてとなるセント・ピーターズバーグでの勝利は、2位のパワーに7.1616秒以上もの大差をつける圧勝となった。
3位争いはレース終盤に激しさを増し、大きな注目を集めた。KV Racing Technology-Lotusからの参戦を開幕直前に決めたトニー・カナーンが、女性ドライバーのシモーナ・デ・シルベストロ(HVM Racing)と凄まじい攻防を繰り広げた。デ・シルベストロは度重なるリスタートでのアクシデントを潜り抜け、17番手スタートながら2位にまでポジションを上げた。チームの作戦もすばらしく、彼女は新品のソフトタイヤを装着して2回目のピットストップからコースへと復帰。前を行くカナーンはハードタイヤだった。終盤の路面にはソフトの方がマッチしていたようで、カナーンは厳しい戦いを余儀なくされた。しかし、元チャンピオンのカナーンはデ・シルベストロの攻撃をなんとかしのぎきり、移籍したばかりのチームに表彰台フィニッシュをプレゼント。デ・シルベストロは初めての表彰台フィニッシュを逃したものの、開幕戦としては幸先のいい自己ベストとなる4位フィニッシュを飾った。
ダリオ・フランキッティ(優勝)
「すばらしい青空の下、大勢のファンが歓声を送ってくれる中で走るのは最高の気分だった。パワーを抜いたのは2回目のリスタート。彼の動きに意識を集中させ、うまくパスすることができた。今日のマシンは完ぺきで、ソフトとハード、どちらのタイヤを装着しても速かった。2位を突き放すことができたあとは、レースをコントロールするかのように、ペースを保つ走り方でゴールを目指していた。開幕戦からポイントをたくさんかせぐことができたのはうれしい」