F1中国GPの決勝で、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)のDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)が、指定された区間外で作動していたことが明らかになった。
DRSは、レース中の追い抜き増加を目的に今年から導入されたシステム。フリー走行や予選では自由に使用できるが、決勝では前を走るクルマの1秒以内に近づいた場合のみ、指定された区間だけで使用することが許される。
だが、中国GPの決勝で、アロンソがミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)の背後を走行している際、指定された区間外でアロンソのDRSが作動する様子を収めた動画が出回っている。
動画共有サイトでは、問題の動画が投稿されると権利の問題から削除されるという繰り返しになっているが、指定区間の先にあるヘアピンを通過後、最終コーナー手前と思われる場所でアロンソのDRSが作動していることが確認できる。
この問題について元F1ドライバーであり、イギリスの『BBC』で解説を務めているデビッド・クルサードは、アロンソが故意に指定区間外でDRSを使用したのではないだろうとの見解を示した。
「コックピット内で彼が何をしようとしていたのか見ることはできなかった」
「彼はあの地点でウイングを作動できないことを知っているので、(DRSの)パドルを操作する意味はない。また、彼のシステムが以前に問題を抱えていたのは誰もが知っていることだ。それなので、機械的、もしくはソフトウエア面の問題だったと私は思う」
「これほどまで巧妙にフェラーリがルールをかわすことは不可能なので、これは初期トラブルだろう」とクルサードは語っている。
なお、この問題でフェラーリはペナルティーを受けていない。