小林可夢偉「いろいろあったが、チームの雰囲気を変えられてよかった」

2011年06月01日(水)

小林可夢偉(ザウバー)が、予選での大クラッシュによってチームメートが決勝を欠場する中、自身の最高位更新となる5位入賞を果たしたモナコGPを振り返り、「チームの雰囲気を変えることができたと思うのでよかった」と語った。

クルマの改良を重ねていたため、モナコGPでもポイント獲得を狙っていたと語る可夢偉。しかし、26日(木)に走行が始まると、クルマの挙動に苦戦したと可夢偉は、自身の公式ウェブサイトに掲載したレースレポートで語った。

「木曜日のフリー走行で走ってみると、とにかくクルマが跳ねたんです。去年よりもひどく感じて全然縁石とか使えなくて」

予選前に行われたフリー走行では、クラッシュが発生したためにセッションが中断され、セッティングやタイヤの確認ができていなかったと振り返る可夢偉。そして迎えた予選で、チームメートであるセルジオ・ペレスが大クラッシュに見舞われた。ペレスのクラッシュについて、可夢偉は次のように述べている。

「ペレスのアクシデントの時、僕はドーピングテストを受けていて、最初は何が起きたのか分かりませんでした。フリー走行のロズベルグ(ニコ・ロズベルグ/メルセデス)が同じようなクラッシュだったし、今までもモナコではああいうクラッシュが起こってたいたし、やっぱりモナコは恐(こわ)いなと思いました」

「ともかくペレスに大きな怪我(けが)がなかったことが一番でしたね」

ペレスがこのクラッシュの影響で欠場し、可夢偉はチームの期待を一身に背負うことになった。決勝ではセッティングに不安を抱えていたようだが、ハード側のタイヤでスタートし、タイヤ交換を1回のみにする戦略を採用した。

「フリー走行でのタイヤの状況を見たら、ワンストップでいけるのは分かっていたので、まず最初は新品のソフトタイヤ(ハード側)でスタートして、そのあと新品のオプションタイヤ(ソフト側)に履き替えました」

「狙い通りオプションタイヤでスタートしたクルマがピットインしていく間にポジションも上がったし、1回目のセーフティーカーの間にタイヤを交換したタイミングもまずまずでした。そこからタイヤを労(いたわ)りながら前のスーティル(エイドリアン・スーティル/フォース・インディア)を追いかけつつ、後ろから来るウェバー(マーク・ウェバー/レッドブル)も抑えるというのは結構大変でした」

可夢偉は4番手まで順位を上げていたものの、レース終盤に多重クラッシュが発生してレースが中断。そして、この中断の間にタイヤ交換を行うことが可能だったため、可夢偉にとっては厳しい展開になってしまった。

「レースの最後に赤旗中断になったとき、レースがこのまま終わるかなと思ったんで、再開すると聞いて正直驚いたんですけど、もしタイヤを交換しないままだったら、最後までウェバーはおさえられていたとは思います。でも結局みんなタイヤを交換して、ウェバーのペースが全然速かったので、どうしようもなかったですね」

結局ウェバーには抜かれたものの、F1での自己最高位更新となる5位入賞を果たした可夢偉。ペレスの事故が暗い影を落としていたチームに明るいニュースをもたらし、チームを引っ張っていくというリーダーとしての役割も十二分に果たした。

「それ(ウェバーに抜かれたこと)は残念ですけど、チームとしては一番苦戦するだろうなと思っていたレースだし、しかもいろいろな出来事があったけど、最後にきちんとポイントを獲(と)ってチームの雰囲気を変えることができたと思うのでよかったです」と可夢偉はレポートを締めくくっている。

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