今年ザウバーからF1デビューしたセルジオ・ペレスだが、5月の第6戦モナコGPを振り返って、予選中のクラッシュがその後に大きく影響したことを告白した。
ペレスは、メキシコが久々に生んだF1ドライバーである。2012年もザウバー残留が決まっているが、モナコGP予選の最終セッションQ3でクラッシュし、マシンを大きく破損させてしまった。
このクラッシュで病院へ運ばれたペレスは、翌日の決勝を欠場。2週間後のカナダGPでの復帰を目指したものの、フリー走行で体調を崩し、急きょ、マクラーレンの控えドライバー、ペドロ・デ・ラ・ロサにシートを譲っていた。
その後、ヨーロッパGP、イギリスGP、ドイツGP、ハンガリーGPと戦いを重ねるにつれ、すっかり健康を取り戻したかに見えた。
ところがベルギーGPでペレスは、8月の休暇で「ようやく本調子に戻った感がある」と、3ヶ月前の事故を振り返って『spox.com』に、こう語ったのだった。
「あの事故ではヒドイ目に遭ったよ。それまでの勢いをすっかり、そがれてしまった。自分本来の運転に戻るまで、長い時間がかかったね」
獲得ポイントでは、チームメートの小林可夢偉が27ポイントを稼いでいるのに比べ、ペレスがこれまでに獲得したのは8ポイントのみ。しかし、モナコでのクラッシュがなければ「彼(可夢偉)に比べてもっと(ポイントを)得ているに違いない」とペレスは言う。
メキシコの大富豪カルロス・スリムに加え、フェラーリを後ろ盾にしているペレス。自身の今後には何の不安も抱かなかったとのことだ。
「何も心配はなかったよ。唯一気がかりだったのは、回復に数戦を要したことぐらいかな。ルーキーにとってザウバーはとても良いチームだ。サポートが素晴らしい」
ザウバーとペレスは、すでに2012年の契約を済ませているが、シーズン終了後にはフェラーリのテストが控えている。
そのため、ペレスの進路はフェリペ・マッサ(フェラーリ)と比較されがちだ。マッサは、フェラーリ・エンジンを使用するザウバーでF1デビューを果たすと、いったんフェラーリのテストドライバーを経験して再びザウバーでレースドライバーを務め、その後フェラーリへ移籍した。
「そうだね、まずは自分が良い仕事をできると証明するのが先決かな。もちろん、F1で数多くの成功を成し遂げて、世界チャンピオンになりたい。でも、それをいつ、どんな形で実現させるか、今のところはノーアイデアだね」とペレスは加えた。