今週末に行われるヨーロッパGPから、エンジン設定に関するルールが変更されることに決定。これによって最も大きな影響を受けるのはレッドブルだとされている。
今年のF1では、ブロウン・エキゾーストと呼ばれるシステムが大きな話題になっている。これは、クルマを地面へ押し付けるダウンフォースを生み出すパーツ、ディフューザーへ高温の排気ガスを吹き付けることで、ディフューザーの効率を上げるシステムだ。
しかし、排気ガスから空力的な効果を得ようとした場合、アクセルの踏み具合によって空力のバランスが変化してしまう。これを回避するため、多くのチームがアクセルを踏んでいない場合にも一定の排気ガスを排出するシステムを考案した。
しかし、F1の統括団体FIAはこのシステムを問題視し、7月10日(日)に決勝が行われるイギリスGPからは、アクセルを踏んでいない場合の排気ガスが、アクセル全開時の10%を上回ってはならないとの規制が導入されることに決定している。そして、今週末のヨーロッパGPからは、さらなる規制がかけられることとなった。
排気ガスを常に出し続けるシステムを使った場合、エンジンへの負担が非常に大きくなることから、予選では積極的にディフューザーへ排気ガスを流すエンジンの設定にしつつも、決勝ではエンジンへの負担がより軽い設定に変更しているチームもいるとされていた。しかし、ヨーロッパGP以降は予選から決勝にかけてエンジンの設定を変更することが禁止となる。
この問題について、マクラーレンのジェンソン・バトンは『Blick(ブリック)』へこう話している。
「彼らは予選のアタックラップ中には止まることなくディフューザーへ排気ガスを流し続けているけど、決勝では違う」
また、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によると、マクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュは、レッドブルがこのシステムによって予選で0.5秒のタイム短縮を実現していると語ったようだ。
今季はこれまで、全レースでレッドブル勢がポールポジションを獲得。しかも、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)がスペインGP以外の全戦でポールポジションになってきた。今回のルール変更により、レッドブル勢の連続ポールポジション獲得が止まるのか、25日(土)に行われるヨーロッパGP予選からは目が離せない。