ヤルノ・トゥルーリ(チーム・ロータス)は、2011年が自身にとって最後のF1シーズンになるかもしれないと認めた。
15年にわたっておよそ250戦でバトルを繰り広げたイタリアのベテラン、トゥルーリ。トヨタのF1撤退に伴って昨シーズン、新生チーム・ロータスに移籍したが、それ以来、苦戦を続けている。
かつて予選のスペシャリストとして名を馳(は)せたトゥルーリだが、チーム・ロータスの2011年型車T128に搭載されているパワー・ステアリングが正確さを信条とするトゥルーリのドライビング・スタイルと合わず、開幕からボヤキっぱなしだ。
「コバライネン(ヘイキ・コバライネン/チームメート)が僕より速い理由は、その点にあるんだ」
「今は時期が悪い。2010年の閉幕後、これから中団グループで戦えるかなと期待していたが、あいかわらず最後尾でチームの経験を積んでいる状態だ」
「事態がどう動くか、見守りたいね。もはや上位狙いの戦いができないのはつらい。ほかを見回して、F1にバイバイしちゃうかも。レースは止めないけどね」とは、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』のインタビューに応じた際のトゥルーリのコメントだ。
アメリカの最高峰カテゴリー、インディカー・シリーズに興味はないというトゥルーリだが、“強豪チーム”相手であればル・マン転身を考えるという。
「でも、今はそんなこと考えてないよ。頭をクリアに保っておきたい。まあいずれ、はっきりするだろう」とトゥルーリは加える。
ヨーロッパGPのフリー走行1回目ではリザーブドライバーのカルン・チャンドクが走行。チーム・ロータスはトゥルーリ後のことを考えているのでは、そんな憶測も聞こえてくる。
もっとも、チームオーナーのトニー・フェルナンデスは最近、トゥルーリの成績を弁護するかのように、トゥルーリのシートは無事かどうか質問されると「イエス」を4回繰り返していた。
「彼の貢献は多くの人間の目に触れないところに表れている。マシン開発において経験をたくさん積んでいるからね」と、フェルナンデスは『BBC』に答えていた。