ロータス・ルノーGPのビタリー・ペトロフは母国ロシアの報道陣に対し、自身の契約が破棄される可能性があることを認めるとともに、ロータス・ルノーGPに対する激しい怒りをあらわにしたという。
発端は、ペトロフがロシアのテレビ局『Rossiya 2(ロシア2)』に、ロータス・ルノーGPの今季のクルマは当初ユニークな前方排気という方式を採用していたが、これによって発生した問題のためにその後の開発が十分ではなかった、と次のように語り始めたことだった。
「ほぼ10レースにわたって僕たちには何にも(新しいものが)なかった。つまり、実際問題として、僕たちは基本的にシーズンが開幕したときと同じクルマでずっと走ってきたんだ」
「もちろん、(開幕戦のオーストラリアGPでの)初めての表彰台は感激だったよ。自分にとっても、ロシア全体にとっても、そして全てのファンにとってもね。でもそれからは僕はただ全てのことに対して怒りを感じていたし、何とかしたいと思っていたよ」
「残念ながら、チームのことは何も悪くは言えないんだ。契約書にそういう条項があるからね」
ペトロフが“残念ながら”という言葉を用いるのは、チームのボスたちはしばしば非常に批判的だからだという。
「僕のインタビュー記事を読んでみてよ。これだけ負け続けていてもチームを批判したりしていないけど、でもどれだけピットストップのせいで負けたと思う? どれだけ作戦のせいで負けたと思う?」
「少なくとも10レース以上は失っていると言えるよ。残念ながら、インタビューでは、また下手なピットストップのせいで負けたとか、そういうことは言えなかったんだ」
「今だってそんなことは言えないんだ。でももう黙ってはいられないよ。もうたくさんだ。全てを胸の内にしまっておくなんてもう無理だね」
ペトロフがこうして沈黙を破った背景には、来季からロータスに名称変更するロータス・ルノーGPが、すでにペトロフと来季の契約を締結してはいるものの、来年度のドライバー構成を白紙に戻して再考しているといううわさがあるためのようだ。
ペトロフはこれを認め、次のように続けている。
「これがF1さ。ビジネスなんだ。チームはだんだんもっと多くのものを得ようとし始めたんだ。価格についても、スポンサーについても、そしてドライバーについてもね」
「ウィリアムズのシートを得ようと列を作っているドライバーたちを見てごらんよ。20人ものドライバーが2つ目のシートを狙っていると思うよ。自分がそこにいなくてよかったよ」
「僕に関しては、とてもはっきりしていると思っている。僕には契約がある。でも前にも言ったように、ワールド・チャンピオンになったキミ・ライコネンでさえ(フェラーリから)かなりの金額と引き換えにF1から去るように求められたんだからね」
「どんなことだって起こり得る世界なんだ。もし彼らが誰かをはずしたいと思ったとしたら、それに逆らうのは難しいよ」