レッドブルの長期間にわたるF1参戦は、コース上での成功とブランド価値の向上によると、レッドブルでモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは認めた。
オースリア資本のエナジードリンクメーカーのレッドブルは1990年代からF1との関連を持っている。当初は主にザウバーのスポンサーとしてF1の世界に関わってきたが、2004年にジャガー・レーシングがF1から撤退することを受けて同チームを買収。レッドブル・チームとして本格的にF1への参戦を開始したのは2005年からだ。まだ新興勢力と言ってもいいレッドブルが年を追うごとに着実に力を付け、ついに2010年シーズン、参戦6年目にして念願のドライバー部門とコンストラクター(製造者)部門の両方でタイトルを獲得したのに続き、2011年シーズンも圧倒的な強さで2冠を達成した。
これにはメルセデスGPのようなワークスチーム(自動車メーカーがチームとして直接参戦 する形態)や、長年にわたってF1を支配し続けてきたマクラーレンやフェラーリといったチームは完全にお株を奪われてしまった格好だ。
レッドブルのF1プロジェクトにおいて、チームオーナーのデートリッヒ・マテシッツの“右腕”であるマルコは、現在の状況を「なにが愉快かって、過去数十年にわたってマクラーレンとフェラーリはお互い最大のライバル同士だったのに、われわれの登場とその成功によって、以前よりもずっと歩み寄っているってことだよ」と笑った。
F1で大きな成功を収めているレッドブルだが、長期的にF1への参戦を続けるかについては疑問符が付いている。
これに対しマルコは、F1の公式ウェブサイトで「それは余計な心配だ」と述べ、次のように強調している。「オーナーのデートリッヒ・マテシッツからF1をレッドブルのビジネスの構想から外せという通達があったら、考え直すかもしれないがね」
「F1はわれわれのマーケティング活動の一部だ。だからわれわれは常に利益と損失の査定を行っている。そしてその損益勘定の結果で、利益が出ていなければならない。もしF1に参戦し続けることで、われわれのビジネスに長期的な成功がもたらされるのであれば、参戦を続けない訳がない」