このところのユーロと米ドルの相場下落が、スイスに籍を置くザウバーの今季予算を厳しいものにしているようだ。
『Blick(ブリック)』紙が伝えるところによれば、ザウバーの280名を数える従業員のうち、多くは比較的強いとされているスイスフランで報酬の支払いを受けている。しかし、F1からの公式な収入やスポンサーからの支払いは、主にドルとユーロによるものだという。
「これは災難だよ。給与だけじゃなくて、いくつかのサプライヤーへの支払いもフランで行っているからね」とチームオーナーのペーター・ザウバーも嘆く。
もうひとつの心配の種は、現在チームの後ろ盾となっているリヒテンシュタインの企業『Money Service Group(マネー・サービス・グループ)』だ。経営的に苦境に立っているとのうわさがある同社だが、すでに元F1チャンピオンであるニキ・ラウダの帽子へのスポンサーシップを終了していることが明らかとなった。
ザウバーのモニシャ・カルテンボーンCEOはこの件について、次のようにコメントしている。
「そのことについてはまだなんとも言えないわ。待ちましょう」
元F1ドライバーのアレックス・ブルツは、先週末に行われたドイツGPの舞台、ニュルブルクリンクの気温が低かったことをヨーロッパ経済にからめて、次のような冗談を自身のツイッターに書き込んでいる。
「ドイツ政府がギリシャの赤字を穴埋めするため、夏を売っちゃったんじゃないかと怪しんでいるんだ」