セバスチャン・ベッテル(レッドブル)はすい星のごとくF1に現れたように思えるが、実際のところベッテルよりも早く勝利を積み上げたドライバーが過去に3人いたようだ。
これを伝えたのは『Blick(ブリック)』紙のベテラン記者ロジャー・ブノワ。23歳のベッテルは2010年、F1史上最年少チャンピオンになり、2011年にはF1史上最年少で選手権連覇を果たすものと見られている。
しかし、デビューから73戦目までの成績を見るとベッテルよりも好成績を残していた先人がいる。そのうちの1人ジャッキー・スチュワートは、デビュー後73戦で18勝2冠を達成していた。対するベッテルの成績は16勝1冠にとどまっている。
スチュワートよりも急速に優勝を繰り返していったのは、皇帝ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)だ。昨年F1に復帰したシューマッハは、1991年のデビューから73戦の間に19勝2冠の成績を残している。
F1史上最多の7冠に輝くシューマッハの上を行ったのは、デーモン・ヒルだ。ヒルはチャンピオンになった回数こそ1度だが、73戦で21勝を挙げておりその勝率は30パーセントにもなる。
それでも、やはりベッテルの勢いは目を見張るものがある。ベッテルが73戦目までに残した戦績は、次に挙げるドライバーたちよりもよかったのだ。
アラン・プロスト-“プロフェッサー”の異名をとり、アイルトン・セナと激しいタイトル争いを繰り広げたドライバー。
ルイス・ハミルトン(マクラーレン)-マクラーレンの秘蔵っ子で、ベッテルに記録を塗り替えられるまで史上最年少王者だった。
ニキ・ラウダ-生死の境をさまよう事故から生還した後に3度目のタイトルを奪取した、別名“不死鳥”。
フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)-ルノーF1在籍時、黄金時代のシューマッハに引導を渡し、現役最強とも言われるドライバー。
キミ・ライコネン-F1参戦当時に現役最速の呼び声も高かった。
アイルトン・セナ-ホンダとともに数多くの勝利を重ねた伝説的ドライバー。デビュー73戦の成績は13勝無冠。
なお、口ひげがトレードマークで、愛きょうのある人柄でも人気を博したナイジェル・マンセルは、72戦目で初勝利を挙げており、フライング・フィンと呼ばれ引退まで絶大な人気を誇ったミカ・ハッキネンは、デビュー100戦目を迎える直前の1997年ヨーロッパGPでようやく初勝利を手にしていた。