「翼をさずける」というキャッチコピーで知られるレッドブルだが、所属ドライバーであるマーク・ウェバーやセバスチャン・ベッテルからは自由に飛べる翼を切り取ってしまいたいと考えているようだ。
ウェバーは今週、恒例の行事であるタスマニアでの野外冒険活動イベントへ参加する予定にしていたが、レッドブルがこれに制限をかけたという。
このイベントは、ウェバー自身が主催しているものだが、2008年にマウンテンバイクで転倒して足を骨折して以来開催されていなかった。今年は開催されることになったものの、地元紙の『Mercury(マーキュリー)』が伝えたところによれば、ウェバーは(7日には)競技に参加しなかったという。F1ドライバーであるウェバーが取り組むには、あまりにも危険だとみなされたためだという。
そしてウェバーは、F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)の表彰式に参加するために、8日(木)にはインドへ向かわなくてはならないため、イベントへの参加期間はさらに短縮されるだろうという。これについて、当の本人であるウェバーは次のように語っている。
「ガッカリだよ。もっとここにいたかったんだけど、そうはできないんだ」
しかし、雇い主であるレッドブルから、F1以外の活動について干渉されることは拒否するとして、ウェバーは『The National(ナショナル)』紙へ次のようにコメントしている。
「過保護にされたくはないよ。僕の生活はほぼ1年にわたってF1に支配されている。でもぼくは逃げ出して、トレーニングをして、それを楽しむよ。それは誰にも止められない」
一方、ウェバーのチームメートであるセバスチャン・ベッテルについても、同郷のライダーであるシュテファン・ブラドルのMoto2仕様バイクを運転するという企画があったものの、レッドブルがそれを許さなかったという。
これについて、レッドブルのコンサルタントであり、ドライバー育成責任者であるヘルムート・マルコがオーストリアの『ServusTV(セアヴスTV)』で次のように語っている。
「われわれのチャンピオンにそれは許されない」
また、ドイツの有名自動車メーカーであるフォルクスワーゲンも、F1で2年連続チャンピオンとなったベッテルにそのWRC(世界ラリー選手権)仕様のクルマを走らせてみたいと思っているようだ。しかし、フォルクスワーゲンのスポークスマンであるクリス・ニッセンは『Sport1(シュポルト1)』へ、次のように話した。
「もしそうできたらこのスポーツ(WRC)にとって素晴らしいことだろうね。でもそれは(調整が)簡単なことじゃない」