ザウバーは、コスト削減のために下した決断によって、最終的には数億円の損失を出すことになった。
クルマを地面へ押し付けるダウンフォースを発生させるパーツ、ディフューザーへ排気ガスを取り込むことで、ディフューザーの効率を上げるブロウンディフューザーが禁止になると大きな話題になっていた7月。ザウバーはこの技術の開発を中止することに決め、その後、ブロウンディフューザーは禁止されることとなった。
しかし、ほかの中堅チームは開発を継続。そして、ブロウンディフューザー禁止は撤回された。現在、ザウバーはフォース・インディア、トロ・ロッソとチームランキング6位を争っているが、ここ最近のフォース・インディアやトロ・ロッソの勢いを考えれば、ザウバーは8位で今シーズンを終えることになるとみられる。
F1では、商業収入を各チームへ分配する制度があるが、これはチームランキングに応じて獲得できる金額が異なり、上位チームほど多くの分配金を得ることができる。『Blick(ブリック)』紙によると、ザウバーはブロウンディフューザーの開発を中止したことで分配金が減り、その損失は数億円にもなるようだ。
「7月にわれわれは、FIA(国際自動車連盟/F1統括団体)が禁止すると信じていた。そのため、複雑な技術の開発を中止したのだ。コスト削減のためだったのにね!」とザウバーのチーム代表ペーター・ザウバーは話している。