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2012F1カレンダー発売中

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小林可夢偉×リンキン・パークのヘルメット、約146万円で落札

小林可夢偉(ザウバー)がリンキン・パークとコラボレーションして今季F1の最終戦に使用し、チャリティーオークションへ出品したヘルメットが、約146万円で落札された。可夢偉が公式ウェブサイトで発表している。

可夢偉は今季のF1最終戦で、世界的な人気を誇るアメリカのバンド、リンキン・パークがデザインしたヘルメットを使用し、そのヘルメットをチャリティーオークションに出品していた。

可夢偉が公式ウェブサイトで発表した内容によると、ヘルメットの落札額は1万9,000ドル(約146万円)。このオークションの収益金は、リンキン・パークが設立した慈善団体「Music for Relief」を通じて、東日本大震災の復興支援に充てられる。

フェルナンド・アロンソ、2012年のメルセデスGPを警戒

フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は、メルセデスAMGへチーム名を変更する現メルセデスGPが2012年に、大きな躍進を遂げる可能性があると語っている。

2010年からF1参戦を開始したメルセデスGP。かつて91勝と7度のF1タイトル獲得を果たしたミハエル・シューマッハと、いまだにF1で勝利を収めたことがないものの、常にトップドライバーのひとりとして名前が挙げられているニコ・ロズベルグの両ドイツ人ドライバーを迎え、「オール・ドイツ」体制で周囲からの期待も大きい船出であった。

しかし、2006年にF1を引退後、メルセデスGP発足と同時に現役復帰してから表彰台にすらたどり着けていないシューマッハは、しばしば批判の対象となり、今シーズンも勝利とは無縁に終わってしまったロズベルグは、0勝のままキャリアを終えてしまうのではないかとも言われ始めた。

だが、フェラーリをけん引し、「現役最強ドライバー」の呼び声高いアロンソは、異なる意見を持っているようだ。メルセデスGPは今季、レッドブル、マクラーレン、そしてフェラーリに惨敗を喫したものの、アロンソは名将ロス・ブラウンが率い、才能豊かな2人のドイツ人ドライバーを抱えたメルセデスGPを侮ってはいけないと述べている。

「F1の世界では常にクルマが一番大きな要素だ。たしかにメルセデスGPにとって今シーズンはいいものではなかったけど、僕らは彼らに対して尊敬の念を抱いているよ。もしメルセデスGPが優勝争いに絡める競争力のあるクルマを造り上げたら、ニコとミハエルもチャンピオン候補になるだろうね」とアロンソはスペインの『EFE通信』に語った。

そして、43歳を迎える2012年のシューマッハも、依然として強力なライバルのままだとアロンソは警戒している。「シューマッハは手ごわいよ。誰もが7回もF1チャンピオンになったドライバーを尊敬しているさ。彼は相変わらず速いし、彼は自分がいかに優れているかなんて証明する必要がないんだ」

セバスチャン・ベッテル、2012年に向け気を引き締める

セバスチャン・ベッテル(レッドブル)は、2012年もほぼ確実にドライバーズタイトルを獲得し、3連覇の偉業を成し遂げるであろうという周囲の予想をけん制した。

今シーズン、ドライバーズランキング2位のジェンソン・バトン(マクラーレン)に122ポイントという圧倒的な差をつけて史上最年少でのF1連覇を果たしたベッテル。そのため、2012年のF1が開幕するオーストラリアへ向かうまでのわずか80日間で、ベッテルとレッドブルの優位性が変わることはないだろうと考える者は多い。

そんな世間の予想がある中、ベッテルはフランスの『Auto Hebdo(オート・エブド)』とのインタビューで「僕たちはまた勝利を狙っていくよ」と語り、次のように続けた。

「でもこのスポーツのいいところは、新しいシーズンが開幕する前に全員がまた振り出しに戻るところさ。僕がまた勝てるかどうかはレッドブルが競争力のあるクルマを造ってくれて、エンジン供給元のルノーがパワフルで信頼性の高いエンジンを供給してくれるかどうかにかかっている。確かなことなんて何もないよ。成功を持続することができるかどうか、保証なんてないんだ」

今シーズンの圧勝劇は懸命な作業の賜物(たまもの)であるとし、それをこれからも続ける必要があるとベッテルは語っている。「1年を通してクルマの競争力を維持するために僕たちは攻め続けた。マクラーレンの進化はとてもすごくて、最終的に僕たちとほとんど互角になった。1台のクルマがシーズンを支配するなんてことはないと思うよ」

一方のバトンは、こういったベッテルの意見に賛成はしていないものの、マクラーレンが来年、よりレッドブルに迫ることができると信じている。「僕たちは完ぺきではなかった。レッドブルは僕たちよりも速かったし、安定していた。でもシーズン全体としては悪くなかったよ。チーム全体で成長することができたし、2012年に向けて確固たる基礎を築けているしね」

マクラーレンにとって重要なことは、2011年シーズン前のような失敗を繰り返さないことだとバトンは考えている。マクラーレンはシーズン前、レッドブルのコピーを急ぐあまり、複雑な排気系システムの設計をあきらめてしまっていた。

その一方、「もし、もっと有効に冬の開発期間を利用できたら彼ら(レッドブル)と戦うことができたというのは間違っている。実際にそうなっていたかは誰も分からないよ」とバトンは述べてチームの擁護し、次のように加えた。

「分かっていることは、僕たちが冬の開発期間でうまくやれなかったってことさ。チームのみんなは、その遅れを今シーズンの開幕戦までにばん回する素晴らしい仕事をしてくれた。でも準備に必要な貴重な時間を多く失ってしまったのは明らかだね」

ビタントニオ・リウッツィ、HRTとの契約保持も残留は不透明

HRTと2012年の契約を交わしているビタントニオ・リウッツィだが、ここへきて先行きが不透明になったとしている。

30才のリウッツィは昨年、ホセ・ラモン・カラバンテ率いるHRTが現オーナーのテサン・キャピタルへ身売りする前にチーム入り。それまでのチーム代表だったコリン・コレスは、元ミナルディのドライバーだったスペイン人のルイス・ペレス・サラに取って替わられている。

サラはクリスマス前、2012年にペドロ・デ・ラ・ロサと並ぶチームメート候補として「数名のドライバーと本格的な交渉」を行っていると発言。これに対して先ごろリウッツィは、2011年のはじめにチームと「長期にわたる」契約を結んだと主張している。

「このレベルのチームとわずか1年の契約なんて、なんの意味もない。本来なら、将来に向けてのプロジェクトととらえるべきものだ」と、リウッツィは『Australian Motorsport News(オーストラリアン・モータースポーツ・ニュース)』誌に語っている。

しかしながら、将来が危ういのはリウッツィも認めざるをえない。

「僕はHRTとの間に来季のドライバー契約を保持しているけど、あくまで前のチームオーナーとの同意であって、今は先が見えない状況だ」と、リウッツィは『TotalRace.dom.br』へ話した。

ハイメ・アルグエルスアリ、マルコの怒りを買って解雇?

ハイメ・アルグエルスアリは、なぜレッドブルによってトロ・ロッソを追われたのか? スペインの一部メディアが、その真実をつかんだと報じている。

レッドブルの兄弟チームであるトロ・ロッソは、今季ドライバーだったアルグエルスアリとセバスチャン・ブエミの解雇を決定。来季はダニエル・リチャルドとジャン・エリック・ベルニュという、若手同士の顔ぶれとなる。

『ABC』を含む各紙は、10月なかばの韓国GPで土曜のフリー走行中、トロ・ロッソのピットにおいて撮影されたビデオを入手したという。

その映像には、チーム代表フランツ・トストの目前で、アルグエルスアリがレッドブルのドライバー育成プログラム責任者ヘルムート・マルコにどやしつけられている様子が映っていた。

『ABC』紙はこれを、「アルグエルスアリの翼が折れた日」としている。

マルコがアルグエルスアリに怒った理由は、次の2点。ひとつ目は、親チームであるレッドブルのセバスチャン・ベッテルがアタック中、進路を妨害したこと。ふたつ目は、そうしたマルコの指摘を「受け入れなかった」ことだ。

マルコの叱責(しっせき)を受けてアルグエルスアリは、だったら「すべての周回で」他車に道を譲れば良いのかと、皮肉気味に言い放った。するとマルコはトストに向かって、次のように言ったのだ。

「今のひと言は、聞き捨てならない」

フェラーリのF1チーム代表、その重責とは?

フェラーリのチーム代表とは、「台風の目」に身を置くようなもの。このように形容するのは、前チーム代表のジャン・トッドだ。

フランス人のトッドは現在、65歳。数年前、ステファノ・ドメニカリにチーム代表の座を譲り、現在は統括団体FIA(国際自動車連盟)で、比較的おとなしく会長を務めている。

フェラーリは、F1で最も名の通ったチームであり、イタリアが誇る国のシンボルと言っても過言ではない。そんなフェラーリが最後にドライバー部門のタイトルを取ったのは4年前。ドライバーはキミ・ライコネンだった。2012年は、これまでの雪辱を果たすときだ。

フェラーリを率いるのは、いったいどのようなものだろうか。トッドは28日(水)に掲載された『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』紙とのインタビューで、次のように語っている。

「ステファノの役回りは、自ら進んで台風の目に飛び込むことさ。私も、常に批判の対象にされた。いつクビが飛ぶか分からない中、フェラーリの長たるもの、かくあるべしという形で身を引く決断を下したことを誇りに思っているよ」

新しい1年を前にしてフェラーリは、攻撃的に来季を戦うと宣言。トッドは、2011年のフェラーリをどのように見たのだろうか?

「マシンに競争力がなかったという者もいるね。しかし、私はそう思わない。レッドブルほどの出来ではなかったが、良いマシンであったことは間違いないよ」

トッドは、解雇のうわさが絶えないフェラーリドライバー、フェリペ・マッサについてもコメントしている。マッサは、ミハエル・シューマッハのチームメートとして、2006年にトッド自らザウバーから引き抜いたドライバーだ。

マッサのマネジメントを担当するのは、トッドの息子、ニコラ。フェラーリとは2012年末まで契約が残っているものの、2013年のシートを確保するには、かなりつらい状況にある。

「フェリペは、新しいピレリタイヤへの適応が完全ではなかったね。彼は今でも良いドライバーだと思う。彼の活躍は、また見られるよ」

「アロンソ(フェルナンド・アロンソ/フェラーリ)は、マッサだけでなくすべての者にとって指針となるドライバーだ。フェリペは、アロンソからコンマ3秒離されただけだ。3秒じゃない」

ルーベンス・バリチェロ、今もウィリアムズの連絡待ち

来季、20年連続F1レギュラー参戦を目指すルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)だが、本人によると、今も成否の結果待ちだという。

既にウィリアムズは、資金潤沢なパストール・マルドナードの来季残留を発表。過去2シーズンにわたってバリチェロが温めてきた、もう一方のシートについては、まだ可能性を探っている状態だ。

マルドナードの新チームメートには今季限りでフォース・インディアを放出されるエイドリアン・スーティルが最有力と言われるなか、クリスマス直前には、今年後半をロータス・ルノーGPで戦ったブルーノ・セナがチーム本拠地を訪れたとの話も伝えられている。

バリチェロは、23日(木)にツイッターで次のようにつぶやいた。「イギリスから今、戻ったところ。ウィリアムズからの吉報を待ちながら、これから休暇だ」

326戦という史上最多F1参戦記録を持つバリチェロ。ブラジルのF1情報ウェブサイト『TotalRace.com.br』へ、次のように語っている。

「引退する気は、さらさらない。なんとしても20年連続F1参戦を達成したい。大きなチームが僕を雇わないとも限らないからね。僕のF1は、まだまだ終わらないよ」

「F1への情熱や渇望は、まだ失っちゃいない。今はひと休みといったところだけれど、何としても走り続けるつもりだよ」

セバスチャン・ベッテルが現在のベストドライバーと元ボス

元F1ドライバーで、トロ・ロッソの共同オーナーでもあったゲルハルト・ベルガーが、オーストリアのTV局『ORF』のインタビューで、ベッテルを最高のF1ドライバーと褒めちぎっている。

ベッテルが2008年にトロ・ロッソでF1初優勝を成し遂げた際、トロ・ロッソの共同オーナーだったベルガーは、チームの代表者として表彰台に登り、ベッテルとともに優勝トロフィーを受け取っていた。

「あの子は、ほんとうにすごい。しかも、最強チームとの組み合わせだしね」

ベルガーが言及するのは、もちろんトロ・ロッソッソの親チーム、レッドブル・レーシングだ。

「とにかくF1で最高のレーシングドライバーに成長したよ。私が見たところ、去年はアロンソ(フェルナンド・アロンソ/フェラーリ)やハミルトン(ルイス・ハミルトン/マクラーレン)と並んでいた。しかし今季はどうだい。彼がベストだ」

まだ24歳のベッテルは、初タイトルを獲得して一躍ヒーローとなった昨季から、圧倒的なスタイルで2011年シーズンを制し、王座を守った。ベルガーは、さらなる活躍に太鼓判を押す。

「来年もレッドブルとともにトップを突っ走るのは、間違いないね」

キミ・ライコネンが「トップに返り咲く可能性は50%」と元F1ドライバー

2012年、ロータス(現ロータス・ルノーGP)からF1復帰を果たすキミ・ライコネンに対して、元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーがオーストリアのテレビ局『ORF』の番組で辛口のコメントをしている。

現役時代10回のグランプリ優勝を経験したベルガーは、2007年のF1年間王者であるライコネンの復帰を「F1全体にとって良いことだ」と歓迎しながらも、「トップに返り咲く可能性は50%」と手厳しい見解を述べた。

「一度F1を去ることを決意し、少しの間ラリーを走って、“よし、ちょっとF1に戻ってみよう”というのは望ましいとは言えない」

「もしライコネンが再びトップに立てるだけの強さ、自制心、そして野心を持っていたら、私は逆に驚くよ。もちろん過小評価はするつもりはない。彼が速くて、F1にとってプラスになる存在であることには間違いないからね。うまくいくように願っている」

そしてベルガーは、もし自身がロータスのチーム代表だったら、「絶対にライコネンの起用はなかった」と付け加えた。

「F1はとてもユニークだ。常にレースのことを考え、自身のコンディションを完ぺきに保ち、努力しなければいけない。本当に難しいんだ。鍛錬の一言につきる。ライコネンにそこまでのやる気があるのかどうか、これから分かるよ」

ベルガーと同じくオーストリア出身で、3度のF1チャンピオンでもあるニキ・ラウダは『Salzburger Nachrichten(ザルツブルガー・ナッハリヒテン)』に対し、ライコネン歓迎のコメントをしている。

「彼の復帰はいいと思うよ。彼は多彩な性格だからすぐにメディアやファンの興味をひくんじゃないかな」

セバスチャン・ベッテル、最優秀アスリートの座を逃す

ヨーロッパのニュース通信社が選出する「ヨーロッパの2011年最優秀アスリート」にて、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が惜しくも受賞を逃し、2位となった。

この賞は主催者であるポーランドの通信社『PAP』のほか、ヨーロッパの17通信社が選出するトップアスリートに授与されるもので、今年はセルビア出身のテニス選手、ノバク・ジョコビッチに決まった。

獲得ポイント数はジョコビッチが163、ベッテルが121だった。

また先日にベッテルを抑えてドイツ国内の最優秀男性アスリートに選ばれたNBA選手ダーク・ノビツキーは、62ポイント獲得し3位だった。

この賞は、ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)も過去数回受賞している。

フェラーリ、V6ターボエンジンの試作品が来夏に完成

フェラーリは、来年の夏までに2014年から搭載されるV6ターボエンジンの試作品を完成させる予定だ。イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』が報じた。

当初は2013年から4気筒ターボエンジンを採用する予定だった。しかし、フェラーリなど複数チームが4気筒エンジンに激しく反対。結局、2013年まで現行の2.4リッターV8エンジンを開発凍結したまま使用し、2014年から1.6リッターのV6ターボエンジンを採用することに決まった。

現在F1へエンジンを供給しているメーカー各社はすでに新型エンジンの開発に着手しており、メルセデスやルノーも試作品を来年の中ごろにテストすると明言している。

ザウバー、大手金融グループとのスポンサー契約を逃す

ザウバーが母国スイスの大手金融グループ『UBS』とスポンサー契約の締結目前であったと報道された。

UBSは、2010年からF1のシリーズスポンサーになっているが、当時のCEOオズワルト・グリューベルは当初F1全体でなく、特定のチームとの契約を希望していたことが最近明らかになった。

『Blick(ブリック)』紙によれば、契約相手のチームは、UBSの地元スイスに本拠地を置くザウバーだったようだ。さらに同紙は、UBSのロゴが大きく掲出されたマシンを写した3枚の極秘画像を証拠として掲載している。

グリューベルとザウバーのチーム代表ペーター・ザウバーは、年も近く仲の良い友人だったこともあり、契約目前まで話が進んだものの、結局この話は流れてしまったとのことだ。その後グリューベル自身も今年9月にCEOを辞任している。

フェラーリ「F1は技術の“研究室”であるべき」

フェラーリのルカ・ディ・モンテゼモーロ会長が、空力の重要度が増した現在のF1に苦言を呈し、市販車との関連が深い技術でF1を戦えるようにすべきだと語った。

近年のF1では、空気の力を利用してクルマを地面へ押し付けることが重要になっており、この空力分野がF1で最重要視されている。また、過剰な開発競争によるF1の参戦コスト高騰や、危険なほどスピードが高くなることを避けるため、F1で利用できる技術が厳しく規制されているため、ハイテク化が進む市販車とは技術面での共通点が薄れてきたとの指摘もある。

フェラーリのルカ・ディ・モンテゼモーロ会長はドイツの『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙へ、次のようにコメントしている。

「われわれが開発しているのは、飛行機やミサイルではない。フェラーリは、市販車に関連した技術でレースを戦う必要がある」

そして、明らかにレッドブルを意識しながら「F1というスポーツはスポンサーのための商業の道具ではなく、技術の“研究室”であるべきだ」とモンテゼモーロは述べた。

F1新コンコルド協定、数チームが締結済みか

フェラーリとレッドブルが新たなコンコルド協定をF1の最高責任者であるバーニー・エクレストンと個別に締結したとの憶測が出回っている。

この「個別で締結された」という憶測には、両チーム共にF1チームが組織しているFOTA(フォーミュラ1チームズ・アソシエーション)を脱退したという背景が絡んでいる。

コンコルド協定は、各F1チームとF1の商業権保持者、そしてF1の統括団体FIA(国際自動車連盟)によってF1の商業面など運営のことを定めた協定で、現協定は2012年末で失効となる。しかしフェラーリを始めとする数チームが次々にFOTA脱退を表明し、FOTAの存続自体を疑問視する声もあがる中、新たなコンコルド協定にも注目が集まっている。

だがドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・ モートア・ウント・シュポルト)』は今回の憶測を否定。「交渉は2012年1月に始まる」と語るフェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモーロのコメントを掲載している。

一方のエクレストンは、FOTAとではなくチームごとにこの協定を結ぶことを望んでいることから、フェラーリやレッドブルなどFOTAから既に脱退しているトップチームへの収益分配率を増やし、FOTAの交渉力を弱める戦略に出た可能性も考えられる。

モンテゼモーロは「団体にせよ個別にせよ、交渉は合意に至るだろう」とだけ述べ、交渉がフェラーリ単独なのかという点について明言はしなかった。

「トロ・ロッソのドライバー総入れ替えは正しいこと」と元共同オーナー

トロ・ロッソの元共同オーナーであったゲルハルト・ベルガーが、同チームが来季に向けてドライバーを総入れ替えしたのは「全面的に正しい」と、チームの姿勢に理解を示した。

現在トロ・ロッソを所有するのは、オーストリアのエナジードリンクメーカー、レッドブルだ。現在のF1最強チームであるレッドブル・レーシングも保有するレッドブルは、今年までチームに所属したハイメ・アルグエルスアリとセバスチャン・ブエミの両名を切り、より若いダニエル・リチャルドとジャン・エリック・ベルニュを来季に起用する。

かつてベネトン、フェラーリ、そしてマクラーレンで10勝を挙げたベルガーは、オーストリアのTV局『ORF』へ、次のように語っている。

「非常に難しいが、正しい決断だと思う。いずれはマーク・ウェバー(レッドブル)に代わるドライバーが必要だ。セバスチャン・ベッテル(レッドブル)だって、チームを去るときがくるだろう。レッドブルとトロ・ロッソにとっての理想は、彼らが抱える育成選手の中から、ふたりのシートを継ぐ人物が現れることだ」

ブエミもアルグエルスアリも、その役割を担う人材ではなかったというのがベルガーの考えだ。

「当たり前だが、レッドブルでは最高の資質が要求される。彼ら2人は、ひいき目に見ても普通のドライバーにすぎない」

「トロ・ロッソではやっていけたかもしれないが、レッドブルではそうはいかない。オーナー側がほかに人材を求めたのは、正しい」

特にベルガーが2012年に注目するのは、フランスの新人ベルニュだ。

「彼については、良いうわさをたくさん聞いたんだ。もしかしたら第2のセバスチャン・ベッテルかもしれないよ。それを確かめるには、彼を走らせるのが一番だ」

もうひとりのドライバー、オーストラリアのリチャルドは、ベルニュの攻撃的な走りに見習うものがあると、『AAP通信』に対して次のように言っている。

「僕も、彼に学ぶことがあるかも。下位カテゴリーで、彼のドライビングスタイルは一貫していたからね」

ヤルノ・トゥルーリ、F1のペイドライバーに苦言

資金力でF1シートを得る、いわゆる“ペイドライバー”の波がどんどん押し寄せている現状に、ヤルノ・トゥルーリ(チーム・ロータス)が苦言を呈している。

トゥルーリは、来季ケーターハムへチーム名を変更する現チーム・ロータスと2012年の契約を締結済みだが、今季限りでロータス・ルノーGPを放出されることが決まったビタリー・ペトロフが持つ豊富な資金の影響で、チームを追われるかもしれない。

37歳のトゥルーリに言わせると、ロータス・ルノーGPが今年苦戦したのは、ペトロフとブルーノ・セナが持ち込む金に目がくらんだのが原因だそうだ。

「クビサ(ロバート・クビサ/ロータス・ルノーGP)は、マシンの実力をフルに引き出せる素晴らしいドライバーだ。彼らふたりは、脇役に過ぎない。ところが、ロバートがケガで欠場したおかげで、すべては終わった。ペトロフではチームを引っ張れないし、セナがF1ドライバーの器ではないのは、みんなが見たとおりさ」と『La Repubblica(ラ・レプブリカ)』紙にトゥルーリは話す。

セナは、シーズン半ばにニック・ハイドフェルドに代わってロータス・ルノーGPから参戦していた。

これについてトゥルーリは、次のようにコメントしている。「経験豊かなニックは、シーズンの半分しか走らなかったのに、ペトロフとほぼ同じポイント数を稼いだ。別に法則があるわけじゃないけれど、金でシートを買う連中は、逆境に慣れていない上、やる気も足らないよ」

「そろばんずくで彼らを雇うのはしょうがないけど、僕に言わせれば、そんなの何のメリットもないね」

これに反して、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、最近の“ペイドライバー”論争は少し騒ぎすぎだと、次のように述べている。

「いつだってお財布と才能を秤(はかり)にかけるのが、レーシングチームというものだ。それはF1が始まったころから変わっていない」

フェルナンド・アロンソに新ガールフレンド

ヨーロッパ各国の報道によると、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)に新しいガールフレンドができたようだ。

クリスマス直前、アロンソは、スペインのロック歌手ラクエル・デル・ロサリオとの離婚を発表。しかし、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙は、アロンソの新しい相手をロシア生まれスイス育ちで24才のモデル、クサニャ・チョーミチェワと伝えている。

『Bild(ビルト)』は早くもチョーミチェワを「チョーミ」と呼ぶ一方、『SonntagsBlick(ゾンタークスブリック)』紙は、チョーミチェワをアロンソの大親友だと報じた。

また、『Diario Vasco(ディアリオ・バスコ)』紙が2人のツーショットを掲載している。

カルン・チャンドック、来季はF1とスポーツカー2足のわらじ?

今年のチーム・ロータス(来季はケーターハム)で、サードドライバーとして時折金曜日のフリー走行1回目に参加したカルン・チャンドックだが、2012年も同じ役割に甘んじるとは限らない。

今年1年、控え役に回ったチャンドックは、2012年の正規シート獲得が難しいことにも納得顔で、次のように地元の新聞『Times of India(タイムズ・オブ・インディア)』紙へ語っている。

「相当な金銭的バックアップがない限り、F1でシートを得るのは非常に難しい」

それが現実なら、ケーターハムに残って今の仕事を続けるのがチャンドックにとって自然な成り行きだろう。しかし、「いくつかのF1チームとサポート役の話をしているけど、補欠ドライバーを2年も続けるのは本意ではない」とチャンドックは話す。

チャンドックによると、来季レースに復帰できるならF1を離れることもいとわないという。

「僕にとってベストな選択は、F1で時折巡ってくる金曜の走行を続けながら、来年FIA(国際自動車連盟)の競技カレンダーに復帰するスポーツカーの世界耐久選手権(WEC)に参加することだね」

「3つから4つのチームと交渉しているよ。来月半ばには結論を出したいと思っている」

鈴鹿ファン感謝デー、星野一義と中嶋悟が夢のF1競演

鈴鹿サーキットが3月3日(土)と、4日(日)に行う開場50周年のオープニングイベント「鈴鹿サーキット50周年ファン感謝デー」で、星野一義と中嶋悟による夢のF1競演が実現する。

言わずと知れた日本人初のフルタイムF1ドライバーの中嶋と、元祖「日本一速い男」として知られる星野は、日本のモータースポーツ界を代表するトップドライバーとして数多くの名勝負を生み出していた。

当時は、モータースポーツの最高峰F1で両雄が対決することを期待することが多かったが、1987年から中嶋がF1で戦ったのに対し、星野は日本のトップに君臨したことから、この2人がF1で戦う姿を見ることはできなかった。しかし、ファン感謝デーで星野がウィリアムズFW11、中嶋がロータス100Tに乗り込み、1986年のF2以来、26年ぶりとなる競演が実現する。

FW11は、ウィリアムズが1986年に投入したマシンであり、ホンダエンジンを搭載してタイトルを獲得したマシン。一方のロータス100Tは、中嶋がロータスに所属していた1988年に使用したマシン。こちらもホンダエンジンを搭載しており、スポンサーであるタバコブランドの黄色いカラーリングを採用した見た目にも鮮やかなマシンだ。

マシンの状態により、当日に走るマシンが変更になる可能性もあるが、鈴鹿サーキットはほかにも盛りだくさんのイベントを計画中。往年のファンから最近のファンまでが楽しめるイベントになる。

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フェラーリ会長「アロンソは手放さない」

フェラーリのルカ・ディ・モンテゼモーロ会長が、同チームに所属するフェルナンド・アロンソを手放すつもりはないと語った。

『planetf1.com』によると、モンテゼモーロは『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に対し、最年少でF1連覇を果たしたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)を高く評価しながらも、アロンソが「現在最強のドライバー」だとコメントしたようだ。

昨年にF1の史上最年少王者となったベッテルは、年間最多ポールポジション記録を更新する強さで今季もタイトルを獲得。今年のベッテルは、精神面でも大きく成長したと高く評価されている。そんなベッテルについて、モンテゼモーロはこう話した。

「彼は賢い子だ。それに、彼の振る舞いにも好感が持てる。もし、腕が同等なドライバーから選ぶ場合、私なら頭の良い方を選ぶ」

しかし、現役で最強であるのはアロンソだとして、モンテゼモーロは次のように続けている。

「だが、今はアロンソを手放すつもりなどない。レースで現役最強なのは、アロンソだからね」

トヨタ86試乗インプレッション

11月27日(日)、富士スピードウェイで開催され盛況に終わった「トヨタ・ガズーレーシング・フェスティバル(TGRF)」で、豊田社長が自ら運転して発表した話題の「86(ハチロク)」。話題の86に試乗するチャンスを得られたので、早速、誰もが気になる86のファーストインプレッションをお伝えしよう。

「ドライバーの感覚ひとつでいかようにも取り回せる“手の内感”や操る楽しさを体感できる『直感ハンドリングFR』」をコンセプトに開発された86らしく、スポーツカーとして運動性能が良いクルマ。前後の重量配分が良く、フロントの回頭性が素晴らしいので、楽しさと同時に安心感がある。ハンドリングはとてもよく、ハンドルを切った分だけしっかり反応してくれる。リアが軽く感じられ、振り回しやすそうな感覚を得た。

トランスミッションは6速MT(マニュアル)と6速AT(オートマ)の2種類から選択が可能。マニュアルシフトの操作感は、カチッとしていて、シフト操作が楽しくなる。ただ、純正のクラッチペダルはもっと浅くても良いと感じた。自分だけの86にカスタマイズするなら、好みのペダルへ交換するのも面白いかもしれない。

アクセルの反応は、オートマでもとても良い感触を得られるが、マニュアルのほうがダイレクト感がある。よりダイレクトな感触を楽しみたければ、マニュアルの方が良いだろう。だが、オートマでも十分に楽しめる車だ。また、ブレーキがしっかり仕事をしてくれるので安心感がある。

純正で装備されているセミバケットシートは、ソフトな乗り心地ながらも、しっかりと脇をホールドしてくれる。純正シートのままでもスポーティーな走行を楽しめそうだ。

ノーマルの状態でも十分に楽しめる仕上がりの86。しかし、試乗の担当者も言っていたことだが、いろいろなパーツを交換し、「カスタマイズする楽しさ」も味わえる車だ。自分の気に入ったパーツを組み合わせ、世界に1台しかない自分だけの86に仕上げていくのも面白いだろう。

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エイドリアン・スーティル、フェラーリ移籍のうわさを否定

フェラーリへの移籍を目指しているという報道がなされたエイドリアン・スーティルだが、マネジャーがこのうわさを否定した。

今季限りでフォース・インディアのシートを失ったスーティル。来年はウィリアムズと1年契約を結び、来年いっぱいで契約が切れるフェリペ・マッサに代わって2013年のフェラーリ入りを目指しているとうわさされていた。

また別の報道では、スーティルが来年フェラーリのテストドライバーになるのではないかというものもあった。

しかし、スーティルのマネジャーであるマンフレッド・ジマーマンが、『Sky(スカイ)』へ次のように語ったと、ドイツのメディアが報じている。

「われわれは一切フェラーリとは話をしていない。フェラーリは選択肢には入っていないよ。もちろん、それ(フェラーリへの加入)は間違いなくすべてのドライバーやマネジャーにとっての夢ではあるがね」

現時点で、2012年度のシートが残されているのは、苦戦が続くHRT、そしてウィリアムズだけになっている。だが、ジマーマンはまだスーティルのシート獲得をあきらめていない、と次のように続けた。

「まだF1にとどまるための選択肢はいくつかあるし、現在交渉を行っているところだ。現時点ではこれ以上のことは言えない」

オーバーテイク最多はシューマッハ、可夢偉は3位

2011年のF1で、レース中に最も多くの追い抜きを成功させたのはミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)だった。小林可夢偉(ザウバー)は、3位にランクインしている。

これは、メルセデスGPが集計したデータとして、『Autosport(オートスポーツ)』が報じたもの。これによると、シューマッハが今季に見せた追い抜きは116回だったという。

オーバーテイクと呼ばれるレース中の追い抜きは、モータースポーツ最大の見せ場でもあるが、今季のセバスチャン・ベッテル(レッドブル)のように、上位からスタートすることが多かった場合、オーバーテイクの数が減ってしまうのも事実だ。それとは逆に、予選で苦しみながらも決勝で順位を上げていくレースが多かったドライバーは、オーバーテイクの数が多くなる。

そのため、オーバーテイク回数のトップ5を見てみると、1位シューマッハ(116回)、2位セバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ/114回)、3位小林可夢偉(ザウバー/99回)、4位ハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ/94回)、5位パストール・マルドナード(ウィリアムズ/91回)となっており、シューマッハ以外にトップチームのドライバーは入っていない。

その一方で、15回という年間最多ポールポジション記録を塗り替えたベッテルは今季、27回しかオーバーテイクを見せておらず、下から4番目の25位だった。

鈴鹿サーキットのファン感謝イベントに無料でご招待

来年に開場50周年を迎える鈴鹿サーキットが、3月3日(土)と4日(日)にファン感謝イベント「鈴鹿サーキット50周年ファン感謝デー」を開催。F1マシンのデモ走行が行われるほか、往年のF1ドライバーの参加も計画されている。

鈴鹿サーキットによると、目玉となるF1デモ走行で走るマシンは調整中とのことだが、かつてF1日本GPや鈴鹿8耐を観戦したファンも、当時の雰囲気を味わえるイベントになるという。鈴鹿が歩んできた50年の歴史が凝縮されたイベントになりそうだ。

イベントの詳細は決定次第、発表されるとのこと。また、鈴鹿サーキットでは、このファン感謝デーの無料招待券を配布中。今回は、鈴鹿サーキット内の遊園地モートピアの優待券もセットになっている。下記の招待券をプリントアウト、またはスマートフォンなどで当日に提示。もしくは、QRコードから鈴鹿サーキットの携帯サイトへアクセスし、無料招待券を入手することができる。

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鈴鹿サーキット50周年ファン感謝デー
3月3日(土)
特別ご招待(入園招待)・モートピアパスポートご優待(50%OFF)
媒体名:TopNews
1枚で5名様までご入場いただけます。
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鈴鹿サーキット50周年ファン感謝デー
3月4日(日)
特別ご招待(入園招待)・モートピアパスポートご優待(50%OFF)
媒体名:TopNews
1枚で5名様までご入場いただけます。
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セバスチャン・ベッテル、新車完成を待ちわびる

セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が、F1の3連覇を目指して2012年シーズンをともに戦う新マシンの完成を心待ちにしている。

昨年、史上最年少のF1王者になったベッテルは、今年も圧倒的な速さを見せつけ、F1の最年少連覇記録を塗り替えた。しかし、すでにベッテルの目は来年へ向いており、間もなく完成する2012年型車について、『BBC』へ次のように語った。

「もうすぐ完成するんだ。子どもが生まれるようなものだよ。僕に子どもはいないけど、みんな同じような心境だって言っている」

「またゼロからのスタートになる。僕たち全員にチャンスがあるね」

レッドブルは、2月5日(土)に2012年型車を発表するとみられており、2月7日(火)からはスペインのヘレスでシーズン前の合同テストが始まる。

ニコ・ヒュルケンベルグ「確定するまでは不安だった」

2012年にフォース・インディアからF1復帰を果たすことになったニコ・ヒュルケンベルグだが、豊富な資金力をバックにもつ他のドライバーによって自身のF1復帰がダメになるかもしれないという不安を持っていたことを認めている。

ヒュルケンベルグは1年前に当時所属していた名門チームのウィリアムズから放出されたが、それは「自分の力量とは全く関係のない理由によるものだった」と、『Sport1(スポーツ・ワン)』に語った。

ヒュルケンベルグを放出したウィリアムズは、代わりに2010年度のGP2チャンピオンとなったパストール・マルドナードと契約をしている。マルドナードは母国ベネズエラから強力な支援を受けているドライバーだ。

ヒュルケンベルグはそのためやむなくフォース・インディアに移籍したが、そのときの契約条件は2012年に昇格させるという保証のもとに1年間はリザーブドライバーを務めるというものだったと考えられている。

今回、まさにその予定通りに進んだわけだが、ヒュルケンベルグは待っている間は不安だったと認めている。

資金を持ち込めるドライバーからまたシートを奪われるという心配はしなかったか、と問われたヒュルケンベルグはそれを認め、次のように答えている。

「うん、その心配はあったよ。でも、僕は1年を通じてチームと話し合ってきたし、彼らがどういう計画を持っているのか、そしてどのようにそれを進めてゆきたいのかということが分かっていた」

さらにヒュルケンベルグは、シートを得るために金を支払ったのか、あるいは大きなスポンサーシップを持ち込んだのか、という問いに対してはいずれも「ノー」と答えている。

とはいうものの、今回のフォース・インディアの決定はある意味では少々驚くべきものだった。今回放出が決定されたエイドリアン・スーティルは2011年シーズンに申し分のない結果を残していたし、なおかつコンピュータ会社の『メディオン』という堅実なスポンサーの支援も持っているからだ。

ヒュルケンベルグが追い出した形となった同郷の先輩ドイツ人ドライバーであるスーティルとの関係はどうか、と尋ねられたヒュルケンベルグは「とてもいい」と主張し、次のように付け加えた。

「エイドリアンとはもう長い付き合いだけど、今回の状況について僕たちは何も話さなかった。彼は自分自身のことにものすごく集中していたし、それはとてもプロフェッショナルな姿勢だと思ったよ。僕に対して怒っているなんてことはないね」

スーティルとしても怒るわけにはいかないだろう。ヒュルケンベルグも昨年似たようなF1における残酷な仕打ちを受け入れるしかなかったのだからだ。

ヒュルケンベルグはスーティルに関して、さらに次のように語っている。

「当然ながら(F1は)とても残酷なものだからね。でも彼に対して申し訳ないとは思っていないよ。きっとシートを獲得するだろうからね」

ドイツ人ドライバーたちに着目するフェラーリ

エイドリアン・スーティルはフォース・インディアから放出されたことによって、“赤い道筋”が見えてきたかも知れない。

2011年のシーズン、フェラーリのフェルナンド・アロンソが257ポイントを獲得してドライバーズランキング4位に食い込んだ一方、同じくフェラーリのドライバーであるフェリペ・マッサは通算118ポイントで自身にとっては不本意、周囲にとっては明らかな期待外れという結果になってしまった。2012年限りでフェラーリとの契約が終結するマッサにとって、2012年はまさに力量が試される1年となりそうだ。そんな中、フェラーリの会長ルカ・ディ・モンテゼモーロはすでに数名のドイツ人ドライバーに注目していると認めた。

モンテゼモーロがコメントを発する以前から、メディアはスーティルの将来的なフェラーリ入りに関しての報道を行っていた。現在、スーティルはウィリアムズとの交渉中とされているが、2013年のフェラーリ入りを画策しているスーティル側はウィリアムズに2012年のみの単年契約を要求していると伝えられている。あるいは2012年シーズンは1年間リザーブドライバーとして過ごすのではないかとも言われている。

『Bild(ビルト)』紙は「もちろん、われわれは将来に向けての計画がある」というモンテゼモーロの発言を掲載している。同紙はスーティルがフェラーリの有力候補のように考えているが、モンテゼモーロはもうひとりのドイツ人ドライバーの名も挙げており、「私としてはロズベルグ(ニコ・ロズベルグ/メルセデスGP)がお気に入りだ。聡明(そうめい)だし、着実に実力もつけてきている」と語っている。

その一方で『Auto Motor und Sport(アウト・ モートア・ウント・シュポルト)』は、「彼(ロズベルグ)以外にも2名の若く、有能なドイツ人ドライバーがいる」というモンテゼモーロの発言を取り上げ、フェラーリはスーティルと、スーティルに替わってフォース・インディアのレースドライバーを務めるニコ・ヒュルケンベルグも新しいドライバーの候補として考えていると報じた。

では、今年の2月にラリーで瀕死(ひんし)の重傷を負い、2011年シーズンのレースには一度たりとも出走できなかったが、昨年までは非常に高い評価を獲得していたロバート・クビサ(ロータス・ルノーGP)の可能性はどうなのか。

「彼(クビサ)もフェラーリのドライバー候補のひとりだが、どのように例のアクシデントから立ち直るかを見守る必要がある」とクビサに関しての可能性もモンテゼモーロは認めた。

フェラーリの将来的なドライバー交代に関してのうわさは尽きないが、モンテゼモーロは現時点のドライバーのマッサの擁護もしており、「われわれのドライバーたちはベストだ。ドライバーたちが問題なのではない。われわれには勝てる競争力があるクルマが必要なのだ」と強調した。

元F1ドライバー「参戦するドライバーの質が向上しただけ」

元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンは、たとえ2011年シーズンに中団チームから参戦していたドライバーたちが2012年のシーズンに出られなくても、F1にとって重大な損失になるとは思わないと述べた。

フェルスタッペンは『De Telegraaf(デ・テレグラーフ)』紙の自身のコラムで、まだ2012年のシートが確定していない多くのドライバーたちが、未確定なままのたった2つのシート(ウィリアムズとHRT)を巡ってし烈な争いを行っている現状は、ニュースにとっては“エキサイティングな時期”であると記した。

同時に、トロ・ロッソからまさかの解雇通告を突き付けられたセバスチャン・ブエミとハイメ・アルグエルスアリのように、将来有望なドライバーたちがF1での行き先を失ってしまったのも事実だ。

「こんな今年も残りわずかになってからの出来事だったから、彼らにとっては、なおさら辛いだろうね。でも、これがF1なのだ」と、1990年代中頃から2003年までの間、中団のチームからF1に参戦していたフェルスタッペンは語った。

2012年に向けて残されているシートはほとんどないが、フェルスタッペンは同じオランダ人のギド・ヴァン・デル・ガルデがその座を射止めることを願っているようで「彼のライバルは多くないはずだ」と期待を込めている。

「これまでのところのドライバー移籍市場で、ビタリー・ペトロフ(ロータス・ルノーGP)、ルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)、エイドリアン・スーティル(フォース・インディア)、アルグエルスアリ、ブエミ、そしてビタントニオ・リウッツィ(HRT)がシートを失った」と、まだ2012年のシートが確定していないドライバーをフェルスタッペンは統括した。この中には話題に上らなかったが、ブルーノ・セナ(ロータス・ルノーGP)やジェローム・ダンブロシオ(ヴァージン)といったドライバーたちも同じ境遇だ。

「私はいま挙げたドライバーたちがF1から去ってしまったとしても、それがF1にとっての重大な損失になるとは思わない。このスポーツにだって新陳代謝はいいことさ。それに、2007年のワールドチャンピオンのキミ・ライコネンや、今年のGP2(F1への登竜門とも言われているF1直下のレースカテゴリー)を制したロメ・グロジャンやニコ・ヒュルケンベルグといった才能溢れるドライバーたちがF1に戻って来る。参戦するドライバーの質が向上しただけだ」と締めくくった。

小林可夢偉、カートイベントに参戦へ。一般参加も可能!

2011年のSUPER GT300クラスでチャンピオンになったグッドスマイルレーシングが、1月14日(土)にカートイベントを開催。小林可夢偉(ザウバー)や元F1ドライバーの片山右京、ほかにも現役のプロドライバーなど豪華なゲストが参加する。

千葉県の茂原ツインサーキットで行われるイベント「グッドスマイルレーシング カートイベント」では、ファンが自ら耐久レースを体験できるほか、各カテゴリーで活躍するトップドライバーのレースを間近で体感することもできる。また、一般参加者のレース中に、ゲストドライバーが乱入する可能性まであるようだ。さらに、ゲストドライバーからドライビングテクニックなどのレース攻略アドバイスを受けられる可能性もある。

なお、2名から5名のチーム、もしくは個人参加で一般のファンもレースを戦える。個人参加の場合は、当日に5名のチームが編成されるとのことだ。

参加予定のゲストドライバーは以下の通り。

・小林可夢偉(ザウバー)
・片山右京(GSR&Studie with TeamUKYOスポーティングディレクター)
・番場琢(GT300クラスドライバー)
・安田裕信(GT500クラスドライバー)
・安部翼(GT300クラスドライバー)
・国本京佑(2008F3マカオGPチャンピオン)
・国本雄資(全日本F3/GT300クラスドライバー)
・笹原右京(2011ROTAX MAX JR WORLDチャンピオン)
・藤波清斗(2011カート世界選手権最終戦2位)
・小高一斗(2011全日本カート選手権Jrクラス東地域チャンピオン)

見学は無料。申し込み、内容の詳細は、グッドスマイルレーシング公式応援サイトへ。
公式応援サイトはこちら


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