独創的なサイドポッドが目を引くマクラーレンの2010年型車MP4-26。開発を担当したテクニカルディレクターのパディ・ロウが、そのデザインの背景にある理論を説明した。
「目新しいものがいくつかあると思う。長いホイールベースとU字のサイドポッドはおそらく、その最たるものだろう。その背景にある理論は、リアの下側のメインプレーンとフロアへ、きれいな気流をできるだけ多く流し込むことだ」
「ダブルディフューザーの禁止でパフォーマンスが低下するので、できるだけリアエンドのパフォーマンスを高めたかった」
さらにロウは、MP4-26開発での苦労点について、次のように加えた。
「(苦労点は)2つある。ダブルディフューザー禁止で失われるダウンフォースを取り戻すことと、ピレリタイヤの性能を最大限に引き出すことだ。ピレリタイヤの寿命は約10周。それをもっと長くもたせるようにすることが、大きな挑戦だった。それなので、タイヤをもたせるために、セットアップやサスペンションをじっくりと検討する必要がある」
また、エンジニアリング責任者のティム・ゴスは、KERS(運動エネルギー回生システム)の搭載に苦労したとして、こう話している。
「KERSをまた搭載するのが大仕事だった。メルセデス・ベンツ・ハイパフォーマンス・エンジン(エンジンとKERSの供給元)へ伝える仕様を決定するため、メルセデスGPと協力したが、これには非常に満足している。非常にうまく連携、協力することができた。2チームが協力するには、難しい点も多いかもしれないが、われわれの協力関係には満足しており、結果も非常にいいものになった」
「このシステムをパッケージ内に組み込むのは難しいものだった。燃料搭載量が増えているのでね。それが1つ目の挑戦だったが、われわれは乗り越えたよ。さまざまな空力のコンセプトによって、構造に関していくつか難しい決断もあったが、満足できるレイアウトになったと思っている」