決勝出場にふさわしい速さを証明しない限り、今後もヒスパニア・レーシング(HRT)が決勝に出場することはない。
HRTは、新車でのテストを1回も行わずにF1の開幕戦に登場。しかも、数周しか走れていない状態で予選に挑んだ。その予選でHRTは、予選1回目のセッションQ1のトップから107%以内のタイムを記録できず、予選落ちとなって決勝への出場が認められなかった。
107%ルールと呼ばれるこのルールは、今年から復活したもの。決勝に出場するには、Q1のトップから107%以内のタイムを記録しなければならない。昨年にF1へ新規参戦した3チームと既存チームのパフォーマンス差があまりにも大きく、危険だという指摘もあったことを受けて復活した。
急激な天候変化やトラブルなど「例外的な状況」を想定して、フリー走行で決勝出場が妥当と判断できるタイムを記録している場合には、審判のような役割を務めるレーススチュワードの判断で出走を認めることも可能と規定されている。
HRTは予選後、この規定の適用を求めたが、スチュワードはこれを拒否。HRTは決勝へ出場することなくオーストラリアを後にした。
この問題について、統括団体FIA(国際自動車連盟)でレースディレクターや技術委員などを務めるチャーリー・ホワイティングは、『Gulf News(ガルフ・ニュース)』へ「タイムを出せなければアウトだ」と語り、HRTに特例を認める可能性がないことを示した。
オーストラリアGP決勝に出場できないことが確定後、HRTドライバーのビタントニオ・リウッツィは、「ルールはルールだよ」とのコメントを残している。