ヒスパニア・レーシング(HRT)はマレーシアGPで、新ウイングを投入して予選通過を目指すようだ。
HRTは、シーズン前に新車F111でのテストを行わないまま開幕戦オーストラリアGPを迎えていた。その開幕戦でも、フリー走行でHRTが走ったのは数周のみ。そのまま予選に挑んだものの、今年から復活した107%ルールのため、予選落ちとなり決勝に出場できなかった。
107%ルールとは、予選Q1のトップから107%以内のタイムを記録しなければ、決勝への出場が認められないというルール。昨年にF1への参戦を開始した新規参戦チームと既存チームのパフォーマンス差が大きかったことから、今年復活したルールだ。
また、オーストラリアGPでHRTは、新車を走らせていたものの、フロントウイングは2010年型のものを使用していたようだ。2011年型のウイングが、義務付けられているクラッシュテストに合格できなかったためだという。
しかし、次戦マレーシアGPには2011年型ウイングを投入する計画もあるようで、HRTドライバーのナレイン・カーティケヤンが『Reuters(ロイター)』へ次のように語った。
「もし新ウイングを使うことができれば…いや、僕たちは新ウイングを使うよ」
「そうすれば、予選を通過できると自信を持っている。それに、そうなった場合には、マレーシアで予選落ちになっても言い訳ができない」
オーストラリアGPで107%ルールによって決勝出場が認められなかったのはHRTのみ。さらに、マレーシアGPでもHRTが予選落ちになる可能性は高いとみられている。だがカーティケヤンは、107%ルールに対して否定的な意見を述べていない。
「みんなジョーカーのような存在がレースに影響を与えることを嫌がっているんだ。僕は107%ルールを尊重するよ。僕たちは真剣に戦っている」
「すべてがきちんと動き出せば、みんなを驚かせることができると思うよ」とカーティケヤンは話している。