トラブルが続いているレッドブルのKERS(運動エネルギー回生システム)は、他チームが使用しているものとは大幅に異なったシステムになっているようだ。『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が報じている。
2011年も開幕から速さを見せつけているレッドブルだが、追い抜き増加を目的に復活したKERSには苦戦している。開幕戦オーストラリアGPではセバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバーの両ドライバーとも使用できなかったほか、第2戦マレーシアGPでは、ウェバーのKERSが決勝スタート直前に故障。ベッテルもレース中は断続的にKERSが使用できなくなっていた。
そして第3戦中国GPでも、予選前にウェバーがKERSのトラブルに見舞われている。しかし、次戦トルコGPが開幕するのは5月6日(金)、まだ時間的な余裕があることから、レッドブルはこのタイミングを利用してKERSのトラブル解決に取り組んでいる。
しかし、レッドブルのデザイナーであるエイドリアン・ニューイは最近、「正直に言うと、クルマにKERSを搭載したくはない」と認めていた。
ニューイによると、レッドブルはまだKERSの「学習段階」にあるようだ。そして、ベッテルやウェバーは、レッドブルのKERSについてや、見舞われているトラブルの詳細について話すことを禁じられているとみられる。
「実際のところ、(何が問題になっているのか)僕も知らないんだよ。正直言って、興味もないしね。僕ただ、きちんと機能してもらいたいだけだよ!」と中国GPの際にウェバーは語っていた。
また、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によると、レッドブルのKERSは、エンジンの供給を受けているルノー製のシステムが基礎になっているという。しかし、旧ルノーF1チームから今年生まれ変わったロータス・ルノーGPが使っているシステムとは、40%もの部分が異なっているようだ。
ロータス・ルノーGPのKERSはシートの下に設置されているものの、レッドブルはいくつかのパーツをギアボックスの左右に設置するなど、他チームとは大きく異なる手法を採用している。ちなみに、ロータス・ルノーGPはこれまで、KERSに関する大きなトラブルに見舞われていない。