小林可夢偉「7位になれたはずだから正直悔しい」

2011年05月11日(水)

ザウバーの小林可夢偉が、レース中にパンクしたものの、10位でレースを終えてポイントを獲得したトルコGPについて、パンクさえなければ7位になれたので悔しいと語った。

今年のトルコGPは、雨が降る中で開幕。そしてこれが、今季からF1のタイヤサプライヤーになったピレリにとっては、雨の中で走る初の公式セッションだった。ピレリの雨用タイヤで初となった公式セッションについて、可夢偉は自身の公式ウェブサイトに掲載したレースレポートの中で次のように振り返った。

「金曜日の午前中は今シーズン初めてのウエットセッションだったんですが、いろんなとこでアクアプレーニングするし、ちょっと縁石にあてただけでもすぐにフラついたり、濡(ぬ)れた路面はかなり滑って危なかったですよ。ただ、ウエットタイヤ自体は全然問題なくて、レースでも使えるかなと感じてました」

その後のフリー走行はドライの状態で行われたものの、可夢偉はギアボックスのトラブルに見舞われたこともあり、予選を迎えた段階ではクルマのセットアップを煮詰められていない状態だったようだ。そして迎えた予選、可夢偉はセットアップを金曜(6日)に近い状態に戻して挑んだものの、トラブルが再び可夢偉を襲った。

「予選の第1セッションが始まって真っ先にコースインしたのは、そのセットアップを確認しようと思っていたんですが、アウトラップが終わって計測ラップに入ったバックストレートの途中で突然エンジンが止まってしまいました。なんとか惰性でピットを目指したんですけど、ピットレーンの入り口で止まってしまって、マーシャルに押されて戻ってきて、クルマから降りました」

「燃料系のトラブルだったので、結局自力でピットに戻ってきていても、交換するのに3~4時間かかるそうなので、どちらにしてもアタックには出られませんでした。まあ年間19レースを戦ったら、こんな不運もありますよ」

しかし、これによって新品タイヤを温存できたこともあり、可夢偉は決勝に向けて前向きになっていたようだ。

「その分決勝レースでは新品のオプションタイヤ(ソフト側)を3セット使えるし、とにかく全部使って追い上げようと気持ちを切り替えました。とにかく楽しいレースができればと思っていました」

そして決勝で可夢偉は、次々に順位を上げていったものの、パンクに見舞われてしまう。

「ミハエル(シューマッハ/メルセデスGP)を芝生に飛び出しながら抜いたときは結構危なかったですよ。ブエミ(セバスチャン・ブエミ/トロ・ロッソ)が当たったときは僕の方が前に出ていたと思うんですけど、その時は右リヤタイヤがパンクした感じではなかったんです」

「でもストレートを過ぎたあたりで、とつぜん右リヤがガクンとなって、”あ~、パンクしてた!!”って分かったんです。そこからほぼコース1周をクルマがガクンガクンなりながら、なんとかピットに戻ってきました」

これによって可夢偉は緊急タイヤ交換を行ったため、これ以降のタイヤ交換のタイミングも前倒しになったことから、「影響は大きかった」という。しかしレースを楽しむことはできたようで、次のように可夢偉は加えた。

「オーバーテイクもできたしレースとしては楽しめましたが、あのパンクさえなければ7位にはなれたと思うんですよね。だから正直悔しいです。去年もハンガリーGPで最後列からスタートしてポイントを獲(と)ってますから、今回特別なことをしたという気持ちはないです」

ザウバーは、22日(日)に決勝が行われる次戦スペインGPで改良を予定している。これには可夢偉も期待しているようで、可夢偉は次のようにレースレポートを締めくくった。

「次のバルセロナ(スペインGP)にはアップデートが入るんですが、どれだけ効果を見せてくれるか楽しみにしています。ヨーロッパラウンドが始まりましたが、みなさま引き続き応援よろしくお願いします」

この記事をシェアする

【関連記事】

2011年 F1ニュース一覧 rss

2011年F1ドライバー

2011年F1チーム

世界選手権

フォーミュラカー

市販車ベース