小林可夢偉「全体としては流れは良くなっている」

2011年05月26日(木)

スタート直後にパンクし、一時は最下位に沈みながらも10位入賞を果たしてポイントを獲得した小林可夢偉(ザウバー)が、「全体としては流れは良くなっている」と語った。

多くのチームが大幅な改良を行って挑むスペインGP。ザウバーもクルマを改良していたが、自身の公式ウェブサイトに掲載したレースレポートの中で、可夢偉は次のように振り返った。

「今回から新しい空力パーツなどアップデートが入ったんですが、金曜日のフリー走行を走った時点で、そんなにタイムは悪くなくて、クルマのセッティングをうまくしたらいつも通りか、いつも以上のパフォーマンスが出せるんじゃないかなと感じてました」

こうして自信を深めていた可夢偉だが、予選で思わぬ形で足をすくわれることになる。

「予選はまず第1セッションで新品のオプションで1アタックをして、第2セッションの一回目のアタックは、第1セッションで履いた中古のオプションタイヤ(ソフト側タイヤ)で、何かあったらいけないからとりあえずタイムを出しておきましょうという感じでした」

「本番は2回目のアタックで、そこで2セット目の新品オプションを履いたんです。僕がアタックラップに入るコントロールラインを通過した時、ちょうどフォースインディアの1台が2秒くらい前にいたんですが、まさかその時そのクルマがプライム(ハード側タイヤ)で走っているなんて知らなくて、スリップもちょっと使えていい感じに行けるかなと思ったら、やたら遅くてバックストレート手前で追いついちゃって…」

「さすがにQ2の最後誰がプライムで走ってんねん! て感じで完全にやられました。ただ、まあ14番グリッドは前回よりはいいし、決勝レースは気楽にポイントを獲(と)りにいこうと気持ちを切り替えていました」

だが、気持ちを切り替えて迎えた決勝でも、可夢偉はスタート直後から試練に直面した。

「そうしたら、決勝は1周目にタイヤがパンクしてしまった。スタート自体は悪くはなかったんですが、その後、横のトロ・ロッソにコース脇の芝生に4輪が飛び出すくらい押し出されて、1回アクセルを抜くしかなくて、そうしたら後ろに緑のロータス(チーム・ロータス)がいたんです」

「ターン5でそのロータスのクルマがブレーキングを遅らせすぎたのか、リヤタイヤにウイングをあててきて左リヤタイヤがパンクしてしまった。前回のトルコでもパンクがあったので、正直またパンク!! って思いましたけど(苦笑)」

このパンクにより、緊急ピットインを迫られた可夢偉だったが、ザウバーは急きょ戦略を変更し、最終的には10位でゴール。第2戦マレーシアGP以来4戦連続となる入賞・ポイント獲得を果たした。

次戦モナコGP(29日決勝)に向けて、流れはいいと語る可夢偉は、次のようにレースレポートを締めくくった。

「簡単ではないですけど、この2戦パンクがなければ結構いいところにいけていたと思うし、クルマのほうは良くなっていて、もちろんこれからも経験とかセッティングのうえで必要なものはあるんですけど、全体としては流れは良くなっていると思います。とにかくモナコではとにかく予選からスムーズに普通に戦いたいですね」

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