セバスチャン・ベッテルのチャンピオン獲得は確定?

2011年06月16日(木)

カナダGPでは、最終周でジェンソン・バトン(マクラーレン)にまさかの逆転を許し、優勝を逃したセバスチャン・ベッテル(レッドブル)。しかし、ベッテルは今季、圧倒的な強さを見せており、ベッテルのタイトル獲得はほぼ決定だとの意見が早くも出ている。

ベッテルは、ほぼ手中にしていたと思われたカナダGPの勝利をバトンにゆずることとなり、大きなショックを受けていた。表彰台でもずっと浮かない表情で、「もうこの手の中にあると思っていたものが無くなってしまったんだ。うれしいわけないだろう」と認めている。

しかし、カナダGP前にランキング2位につけていたルイス・ハミルトン(マクラーレン)は、カナダGPでリタイアに終わっている。また、ハミルトンに代わってバトンがランキング2位に浮上してきたが、ベッテルとのポイント差は60点以上であり、今季のチャンピオン争いはもうベッテルで決定的であるとの見方もでてきている。

「もうベッテルは今年のチャンピオンシップ獲得に向けてカウントダウンするだけだ」イタリアでは『Tuttosport(トゥットスポルト)』がこう書くとともに、『Marca(マルカ)』でも2011年の結果は実質的に決定した、と論じられている。

ベネトンやフェラーリをはじめとする多くのF1チームのマネジメントにかかわった経験を持つホアン・ビラデルプラットも『El Pais(エル・パイス)』のコラムでこう述べている。

「もう間違いない。レッドブルはやはり最高のクルマだし、ベッテルはカナダでポイント差をさらに広げた。今後のレースで彼を打ち負かすのはかなり難しくなりそうだと考えているところだ」

また、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーもレース後にこう述べたという。「ベッテルはそんなにがっかりする必要なないさ」

レッドブルのクルマRB7にとって、カナダGPは最もクルマの特性が合っていないレースであり、今後もベッテルの優位は揺るがないものだという。

「ゴールの直前で気を抜いたことでレースを失ってしまい、イライラしているよ。でも、7レースが終わった後のポイント差をみれば、とても満足しているけどね」

『Der Spiegel(デア・シュピーゲル)』によればベッテル本人もこう述べ、チャンピオン獲得に向けて自信を強めているようだ。

しかし、長期にわたってマクラーレンのチーム代表を務めていたロン・デニスはカナダを去る前に「今回のレースはベッテルが無敵ではないことを証明した」と述べるとともに、これまでのRB7の強さは今後使用が禁止される、排気ガスを空力的に利用した“ブロウン・エキゾースト”によるものだったと考えていることを明かしている。

『The Independent(インディペンデント)』によれば、ハミルトンも「このルール変更は面白いことになりそうだ」と言ったという。

『Telegraph(テレグラフ)』には、カナダGPでの勝者であるバトンがこう述べたと紹介されている。

「ルールに関して今年はいろんなことが起こっているからね。このルール変更は僕たちにとって有利なのかもしれないし、あるいはそうでないのかもしれない。確かめてみないとね」

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