ここ最近、所属するトロ・ロッソのクルマに手を焼いているハイメ・アルグエルスアリは来季、同チームのリザーブドライバーであるダニエル・リチャルドにシートを明け渡すのではないかとささやかれている。
カナダGPが行われた週末、序盤にあまり芳(かんば)しくない運転をしたアルグエルスアリに対し、かつてのF1チーム、ジョーダンの創設者であり、現在『BBC』の解説者を務めるエディ・ジョーダンは、もし自分がトロ・ロッソのチーム代表だったらアルグエルスアリを解雇するだろう、と酷評している。
「彼は才能はあるが、十分に速いと言えるだろうか?」
「個人的な意見だが、彼をベッテル(セバスチャン・ベッテル/レッドブル。かつてトロ・ロッソに在籍)の後釜として考えるのは無理だね」
「だから、トロ・ロッソは”次のドライバーを試してみよう”ということになるだろう。同情なんて必要ない。やるべきことをやらなくては」
しかし、当のアルグエルスアリは、ピットレーンからのスタートだったにもかかわらず、チームメートのセバスチャン・ブエミよりも上位となる8位でゴールしたカナダGPについて、「完ぺきだった」とスペインの『Diario Sport(ディアリオ・スポルト)』紙に述べている。
2009年シーズンの途中から、不調のセバスチャン・ブルデーに代わってF1デビューを果たしたアルグエルスアリだが、フル参戦となった翌2010年にはときとして先輩ドライバーであるブエミをもしのぐ走りを見せていた。
現在フェラーリのテストドライバーを務めるマルク・ジェネも『El Mundo(エル・ムンド)』に次のようなコメントを寄せ、同郷のスペイン人ドライバーであるアルグエルスアリを弁護している。
「今年、彼が新しいタイヤ(ピレリ)と、その摩耗の激しさに慣れることに苦しんでいるのは知っている。彼はそれに気づいていて、それを改良するため、チームと懸命に仕事をしているよ。個人的には、もっと良いチームに移るだけの力が彼にあると信じている」