HRT、ハイメ・アルグエルスアリを候補に?

2011年12月17日(土)

2012年のシートを失ってしまったハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ)だが、まだF1残留への望みを捨てていない。

実質的なトロ・ロッソのオーナーであるレッドブルから解雇通告を突き付けられて以降、他のチームからのコンタクトがあったかという質問に対し、アルグエルスアリは「現時点では言えることは何もない」と『El Mundo Deportivo(エル・ムンド・デポルティーボ)』に語った。

アルグエルスアリはシートを喪失したものの、レッドブルとアルグエルスアリの間には2013年まで有効な契約が残されている。この特異な現状では確かに言えることは見つからないのかもしれない。

しかし、スペインのFIA(国際自動車連盟)役員で最高権威者のカルロス・グラシアによると、HRTはついに“オール・スペイン”のラインアップを構えるチャンスを手にすることができるかもしれないとのことだ。HRTはアルグエルスアリと同じスペイン人のベテランドライバー、ペドロ・デ・ラ・ロサと2012年の契約を結んだことをすでに公表している。

アルグエルスアリのシート喪失のニュースに関して「まったくもってうれしくないサプライズだった」というグラシアのコメントを『AS』は掲載した。グラシアは、「ハイメは素晴らしいシーズンを過ごした。しかし、2012年に向けて、残されている可能性は複雑だ。HRTは選択肢のひとつになり得るね」と続けている。

HRTを設立したエイドリアン・カンポスは「これがマルコ(ヘルムート・マルコ/レッドブルのコンサルタントであり、ドライバー育成責任者)のやり方だ。マルコはすでに大いなる才能を秘めていたスペイン人のアントニオ・ガルシアのキャリアを潰しているじゃないか」と語気を強めた。

ベテランエンジニアのホアン・ビラデルプラットもカンポスの意見に賛成し「もしHRTが彼(アルグエルスアリ)と契約することができるのであれば、素晴らしいね。きっと彼のためになる」と語った。

フェラーリでテストドライバーを務めているマルク・ジェネは「僕ならHRTも選択肢から除外しない。どこのチームでもやっていけるって証明になるからね」という意見を寄せている。

『Marca(マルカ)』紙によると、コリン・コレスに代わって新たにHRTの代表に就任したルイス・ペレス・サラは今シーズンのアルグエルスアリの活躍に感銘を受けたと述べ、「もし彼が2012年にトロ・ロッソにいないとしたら、それはより上位のチームに移籍したからだろう」と賛辞を贈っていた。そこへ今回の悪報が舞い込んできてしまった。

インディカーに参戦しているスペイン人ドライバーのオリオール・セルビアは「驚いた。けど、F1では起こりうる事態だってみんな思っているよ」

そしてFIAでレースの審判役のスチュワード務めるホアキン・ベルデゲイは「今シーズン最も活躍した5人のドライバーの中にハイメは入るから、当然レッドブルは彼を放出しないだろうと思っていた。マルコもそれは分かっているはずだし、私は彼らがハイメを見放すようなことはしないと確信している。ひょっとしたらレッドブルのサード・ドライバーになるかもしれないし、あるいはウェバー(マーク・ウェバー/レッドブル)の代わりにレッドブルのシートに収まるかもしれない」と同郷のアルグエルスアリの将来に期待を込めていた。

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