レッドブル、F1後半戦では苦戦か

2011年08月05日(金)

F1の夏休みが明けると、レッドブルは厳しい戦いを強いられるかもしれない。このように予想しているのはメルセデスGPチーム代表のロス・ブラウンだ。

フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)がイギリスGP、ルイス・ハミルトンとジェンソン・バトンの両マクラーレンドライバーがそれぞれドイツGP、ハンガリーGPを制し、シーズン序盤は独走状態だったレッドブルが、7月に行われた3レースでは一度も優勝できなかった。

ブラウンは28日(日)に決勝が行われるベルギーGP、そしてそれ以降のレースでタイトル争いは白熱してくるだとうと考えている。

ブラウンはブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』へ次のように語った。

「スパで何が起こるかを予測するのは不可能だ。しかし、フェラーリとマクラーレンはこの3レースでクルマを進化させ、スピードを上げてきた。彼らはさらに力をつけてくるだろう」

ロータス・ルノーGPのスポーティングディレクターであるスティーブ・ニールセンもブラウンの考えに賛成し、「フェラーリとマクラーレンはレッドブルの後からブロウン・ディフューザーの開発を行っている。だから彼らの方がそれをより発展させる可能性を秘めている」と述べた。

ブロウン・ディフューザーとは、F1マシンの車体の最後部下方に取り付けられている「ディフューザー」という空力パーツに、高熱の排気ガスを吹き付けることでマシンと路面の間を流れる空気の速度を早くし、車体を地面に押しつけるダウンフォースを増幅させる装置。他チームに先駆けてレッドブルが開発し、その後、各チームが同様のシステムを開発してきた。

しかし、トロ・ロッソで長年にわたって技術責任者を務めているジョルジオ・アスカネッリは異なる見解を持っている。そして、HTRの技術責任者ジェフ・ウィリスが次のように説明した。

「私とエイドリアン(ニューイ/レッドブルの最高技術責任者)は、私たちがかつてウィリアムズで働いていた時からの長い付き合いだ。そしてライバルたちが力をつけてきたときに彼がどのように対処するのかを知っている。私はレッドブルが再びレースを支配すると思う。とはいっても、ライバルたちも改善すべき点を把握しているから、シーズン前半のような圧勝とはいかないだろうけどね」

ハミルトンとバトンが直近の2レースを制してはいるものの、ヨーロッパ、イギリス、ドイツ、そしてハンガリーの合計得点ではアロンソが最もポイントを獲得しており、ランキングのトップを独走しているセバスチャン・ベッテル(レッドブル)よりも3ポイント多い。

そして、レッドブルはこれから迎えるスパ(ベルギーGP)とモンツァ(イタリアGP/9月11日決勝)の高速区間では苦戦を強いられるかもしれない。

「そのとおりだ。その2つのサーキットは僕たちのマシンに最も合っているタイプとは言えないからね」とマーク・ウェバー(レッドブル)は今週、オースリアの『laola1(ラオラ1)』に語り、こう加えた。

「だから、僕たちは選手権における損失を最小限に食い止める必要がある。そして、攻められるときにはまた全力で攻めていくよ」

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