フェルナンド・アロンソ、最後の可能性が途切れるまでタイトルを狙い続ける

2011年08月08日(月)

フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)はイタリアでの休暇を満喫しているようだ。6日(土)、アロンソはイタリア北部にある街ドロミテで取材に応じた。トレンティーノ山からわずか数キロのところにある美しい「メッツォ・ディ・ヴァッレズィネッラの滝」をマウンテンバイクでアロンソは訪れた。その滝からあまり離れていないところに報道陣やイベントスタッフが滞在しているホテルがある。

トレーニングを重ねて状態がベストのときは、自転車でなんと100キロの距離を走行することも可能のアロンソは次のように語った。

「自転車は僕が夢中になっているもののひとつなんだ。2週間の休暇のあいだも、自転車も使ってできるかぎりトレーニングを怠らないつもりだ。とは言っても今はすこしくつろがないとね。チームのみんなも同じことだよ。7月は本当に大変だったから、しっかりと心も体も充電が必要だ。スパ(次回ベルギーGPのサーキット、スパ・フランコルシャン)からの3カ月間は毎回のレースにすべてをそそぎこむことになるからね。それに夏休み明けのヨーロッパでの最後の2戦のあとはアジアへの移動もある」

終盤戦へむけたアロンソの目標はとてもシンプルなものだ。

「できるだけ多くのレースに勝つことだ。僕たちはとても現実的だし、現在の順位(レッドブルのセバスチャン・ベッテルがポイントを大きくリードして1位)も見ての通りだよ。でも、このような状態が突然変わりだすところも何度も見てきた。それに僕たちはフェラーリだ。何百万人という世界中のファンのためにベストを尽くす義務がある。これからの8戦をチャンピオンになるという考えなしに挑むことは許されない。タイトルは常に狙わなければいけないんだ。最後の可能性が途切れてしまうまでは(タイトル獲得を)狙い続ける。とにかくもっと勝たなければいけないし、ベッテル(セバスチャン・ベッテル/レッドブル)のミスやトラブルにも少し望みをたくしているよ」

報道陣と気さくに語りながら、これから終盤にかけてのグランプリをすべて勝ちたい理由があると明かした。

「スパ・フランコルシャンはF1参戦してからまだ1度も勝っていないんだ。そしてそのあとはモンツァ(イタリアGPのサーキット)だ。あの場所は本当に特別なんだ。去年優勝した時のあの雰囲気をもう一度感じたい」

「イタリアGPの次はシンガポールだね。表彰台には合計3回立つことができて、そのうちの2度は優勝だった。相性がいいんだよ。そして鈴鹿とヨンアム(韓国GPのサーキット)もそうといえるかな。どちらもコースをよく把握しているからね。今年初開催のインドでは、初代優勝者としてぜひ自分の名前を残したいよ。アブダビは…みんなも知っているだろう? (昨年のアブダビGPをアロンソは7位で終え、ワールドチャンピオンのタイトルも逃した。)去年の悪い思い出を消すためにも勝ちたい。そして最終戦のブラジルは僕が2度ワールドチャンピオンのタイトルを獲得したグランプリなんだ!」

しかし、「必ず勝つ」とは言わないのがアロンソだ。特にファンに対しては守れると言い切れない約束はしない。

「F1はとても複雑なスポーツだ。だから何かを宣言してそれを成功させることは難しい。チームにかかわる人が、勝つために一丸となって役割を果たすことが重要なんだ。だから個人の能力そのものだけでは足りないんだよ。たとえばエイドリアン・ニューイ(レッドブル/最高技術責任者)が魔法の杖を一振りしても最強のマシンが出来上がらないしね。もし、出来上がったとしてもそれだけでは勝てない。レッドブルが今の素晴らしいチームになるまで何年もかかった。必要なのは人、チームとしての組織、そしてほんの少しの才能だよ。僕たちのチームにもその素質はすべて十分にあると僕は確信しているけれどね」

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