ゲイリー・パフェット(マクラーレン/リザーブドライバー)とポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)は、同じイギリス人で2010年にDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)のチャンピオンを競ったライバル同士。ところがディ・レスタは今年、フォース・インディア加入でF1に進級する一方、パフェットはF1デビューできず今季もDTMに参戦している。
ドイツ随一の人気シリーズDTMでメルセデスと長期契約を結んでいる30歳のパフェットだが、マクラーレンのテスト兼リザーブ(控え)ドライバーでもある。
昨年のDTMでパフェットは、ディ・レスタに続く選手権2位を獲得。チャンピオンのディ・レスタは、F1ルーキーながら、将来メルセデスGP入りを嘱望(しょくぼう)される期待のドライバーだ。
パフェットはドイツのスポーツ情報ウェブサイト『spox.com』に、こう話す。「F1は二の次といったら心苦しいが、それが現実だ。ぼくは、DTMで大規模なレーシング・チームの一員。ぼくの仕事は、彼らのために優勝を目指すことだよ」
パフェットは、F1の夢をあきらめたのだろうか? と質問されると次のように語った。
「いや、そんなことはない。長くDTMにいればいるほど、ぼくの経験値も上がる。30歳になったらもはや、F1のレギュラーシートは無理という理由が分からない。ぼくにとっては今もそれが目標であり、もし何かF1の申し出があれば、真剣に検討するのは間違いないよ」
それと同時に、ディ・レスタが今年、注目を浴びていることもうれしいという。
「彼のことは喜んでいる。良き友人だからね。ぼくには恵まれなかったチャンスがライバルたちに巡ってきたときも、ぼくはイヤな思いをしなかった。さもなければ、ぼくは今、この場にいないよ。モータースポーツは難しいビジネスだ。クルマを速く走らせれば良いというものでもないんだよ」