セバスチャン・ベッテル(レッドブル)がイタリアGPで優勝したことを受け、数字上はいまだタイトルの可能性を残すライバル4名全員が、タイトル獲得を断念するコメントを残した。
これまで、ベッテルのチームメートであるマーク・ウェバーが選手権2位につけていたが、ウェバーはイタリアGPでクラッシュしてリタイア、選手権4位に転落した。ウェバーに変わり、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が選手権2位に浮上したものの、ベッテルとアロンソのポイント差は112ポイントもある。
シンガポールGPを終えると、残り5戦となるが、現在のF1では優勝で獲得できるポイント数が25ポイントであるため、ベッテルがシンガポールGP終了時に125ポイント以上の差を選手権2位のドライバーにつければ、ベッテルの史上最年少F1連覇記録が確定する。
つまり、もしベッテルがシンガポールGPで優勝した場合、アロンソが4位以下になり、ジェンソン・バトン(マクラーレン)とウェバーが3位以下になれば、ベッテルのタイトルが確定することになる。
そのためアロンソはレース後に「タイトルは不可能になったね。数字的には可能だけど、僕たちはもう脱落したよ」と語った。
一方、ウェバーも次のように話している。「もうすべて終わりだよ。そうだろ? これからは、僕たちが2位を争うことになると思うよ」
さらに、ハミルトンが「ベッテルに勝つことが可能だとは思えない。でも、僕たちは攻め続けるよ」と語り、バトンが「そうだね。もう(タイトルの可能性は)なくなった。数レース前からね」と加えている。
しかし、ベッテルはまだ油断しておらず、「今年戦ってきたほかのレースと同じようにシンガポールGPを戦うだけだよ。シンガポールへいき、一歩ずつ確実に自分たちのできることをやっていく」と語った。
また、どうすればタイトルを獲得できるのか計算するつもりはないようで「以前から数学は苦手なんだよね」とベッテルは笑っていた。