小林可夢偉も所属するザウバーのチーム代表ペーター・ザウバーが、チーム規模の拡大を目指していると明かした。
ザウバーは、前チームオーナーであるBMWが2009年シーズンをもってF1を撤退した後、チーム売却に失敗し、チーム消滅の危機に陥った。このときは、引退を表明していたチーム創設者ペーター・ザウバーがチームを買い取ることで、チーム消滅の事態は避けられた。
しかし、スポンサーとの交渉が遅れたため、2010年シーズンは予算的にも苦しい戦いを強いられた。2011年は可夢偉のチームメートであるセルジオ・ペレスの母国メキシコを中心に、複数のスポンサーを獲得しているものの、トップチームと同じレベルにはなっていない。
一方、BMWがオーナーだった時代にスイスのヒンウィルにある本部施設は大幅に強化されていた。そのため、この施設をよりうまく活用すべく、これまでよりも多くの予算を獲得できるようザウバー代表は期待している。
「施設のインフラは素晴らしいものだと思っている。そしてもちろん、もっと予算があればわれわれはさらに速いクルマを作ることができる。われわれにとって、それはとても簡単なことなんだ」
そしてザウバーは、チームスタッフの人数規模を現在の280名からさらに増やしたいと考えていることも認めている。現在のF1では、コスト削減のため人員の数や予算などに制限が設けられており、ザウバーはその範囲内で可能な限りチーム規模を拡大していくとみられる。