ついに開幕したF1インドGP、関係者は無事に現地入りしているが、これまで多くの問題が生じてきたこともあり、不満を含めさまざまな感情が入り交じっているようだ。
これまで税金の問題や安全上の懸念、ギリギリの完成となったサーキットなどが度々報道されてきたが、準備もようやく落ち着いてきたかに見えた。しかしビザ取得のあまりに「お役所的」なプロセスに困惑したドライバーも少なからずいるようだ。
ティモ・グロック(ヴァージン)はドイツのニュースサイト『T-Online( Tオンライン)』へ、次のように語っている。
「まるでインドの人たちは僕に来て欲しくないと思っているように感じた。F1ファンは入国管理局の審査官よりも温かく迎えてくれることを願うよ」
また、25日(日)に現地入りしたニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)は、一度入国を拒否されていたことも明らかになっている。ヘイキ・コバライネン(チーム・ロータス)も苦労したようで、次のようにコメントしている。
「70ページくらいある書類に記入しなければいけなかったんだ。あんなに複雑なものは、もはや非現実的だよ」
しかし『Speed Week(スピード・ ウィーク)』の記者マティアス・ブルナーは、一度ビザを発行してもらった後、入国自体は驚くほど簡単だったとも語っている。ただ、入国後待ち受けていたのはスモッグと荒っぽいタクシー運転手だったようだ。
「インドでタクシーには乗らないほうがいいよ!」とブルナーは冗談交じりに話した。
「インドのタクシー運転手は、片手でクラクションを鳴らして、もう片方の手は携帯電話を持って会話をしたりジェスチャーをしたりするんだ。ハンドル操作に残されている余地なんてあまりなさそうだったよ」
「それにここまで汚れた都市を見たことはない。道にはゴミがあふれていて言葉では表現できないような状況だ。まるで清掃業者が常にストライキを起こしているのではないかと思うほどだよ」