セバスチャン・ベッテル(レッドブル)は、インドGPでもチームの指示を無視して最終周にファステストラップを記録していた。
2週間前に行われた韓国GP、トップを走行していたベッテルは、2番手に大きな差をつけて最終周回に入った。通常であれば、エンジンやギアボックスなどに不要なトラブルが起こることや、ミスでクラッシュすることなどを避けるため、こういった状況ではペースを落とす。
しかし、ベッテルはチームの指示を無視してペースアップし、最終周回でレース中のファステストラップを記録した。そのためレース後のベッテルを、チーム首脳陣からのお説教が待っていたという。
そして30日(日)、初開催となったインドGPでもベッテルは、ポールポジションからスタートしてレースを終始リード。今回もレッドブルは、レース終盤にペースを上げないよう指示していたようだ。
「レース中にエンジニアから、何が目標なのかを確認する連絡が何度かあったよ。ファステストラップにトロフィーはないんだってね」とベッテルも認める。
レッドブル側は、残り2周となった時点でもベッテルにペースを上げないよう指示。しかしベッテルは、最終周にファステストラップを更新した。
「これについては、前戦のレース後に話し合い、セブ(ベッテルの愛称)は謝罪していたんだがね」とレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーも笑うしかない。
「その2週間後にこれだ。だが彼は賢い子だよ。彼にはまだ余裕があったんだろう」
レッドブル側もベッテルが指示を無視してファステストラップを狙いにいくことは予想しており、エンジンの回転数を下げ、KERS(運動エネルギー回生システム)のスイッチを切るよう連絡していたようだ。
「それでも彼は最速タイムを出したがね」とホーナーもあきれていた。