レッドブルのコンサルタントであり、ドライバー育成担当責任者であるヘルムート・マルコは、FOTA(フォーミュラ・ワン・チームズ・アソシエーション/F1チームによって結成された各種ルール等の取り決めを行う組織)におけるチーム間での人員制限協定(RRA)にはそぐわない考えを持っているようだ。
FOTAで合意された現在のコスト制限協定を順守していないとの指摘を受けているレッドブルだが、現在検討が進められている新協定については、これにサインをするつもりはないようだ。
マルコは『Bild(ビルド)』紙に次のように語っている。「完全に穴だらけだよ。誰もが簡単にそのルールの抜け穴を見つけることができる。だから、われわれとしてはそれにサインはしないよ」
パドックにおけるレッドブルへの圧力は増加傾向にある。いくつかのライバルチームはヨーロッパにおける経済危機が深刻化しつつあり、また、次のコンコルド協定(F1を統括するFIAとF1チームによって制定される収益金分配等に関する協定)に向けた重要な話し合いを控えた今、FOTAの崩壊につながるようなことは非常に大きなリスクを伴うものだとの声を上げている。
しかし、マルコは次のように主張する。「どのチームだってトップに立てば同じ目にあう。しかし、われわれはこの位置にとどまるために、出来ることをやらなくてはならない」
例えば、レッドブルの願いに反して、論争の的となっていたブロウン・エキゾースト(低速でのコーナリング時などにも排気を強制的にリアディフューザーに送ることで強力なダウンフォースを得るシステム)は2012年シーズンに先立って厳格に規制された。
このブロウン・エキゾーストはレッドブルが先駆的に開発をしてきたもので、セバスチャン・ベッテルが圧倒的な強さで今シーズンを支配できたのは、これによるものが大きいと言われている。
マルコは次のように続けている。「だから、エキゾーストが使えなければ、われわれは何か新しいものを考えださなくてはならない。そしてわれわれにはエイドリアン・ニューイ(レッドブルの最高技術責任者)がいる」
そのニューイは今、今年圧倒的な強さをみせたレッドブルの2011年仕様車両RB7の後継車両の開発に懸命に取り組んでいるところだ。
ベッテルは2012年用車両について、2月に行われるシーズン開幕前のテストでそれがお目見えするだろうと、次のように語っている。
「ヘレス(スペイン南部にあるサーキット)で行われる最初のテストには間に合うと思う。今のところ予定通りに進んでいるよ」