2010年はF1の最年少王者に輝いたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)。今年の目標は、昨年と同じようにF1のチャンピオンになることだと語った。
「アブダビ(2010年最終戦)でラインを通過したときと同じようにいい気分だよ。当時は、何が起きたのかきちんと理解するのが難しかった。ただ、クリスマスのころに数日間落ち着くことができて、その意味が分かったんだ」
「でも、スポーツマンとしては、常に前を向いていないといけない。毎週のようにレースをしているととても早く時間が過ぎてしまう。選手権は少し長かったけど、とてもいい1年だった。ただ、2010年はもう過去のもの。とても誇りに思える思い出だけど、今は2011年なんだ。また新しい仕事、新しい挑戦が待っている。去年と同じことを繰り返したいよ」
2011年のF1には、コース上での追い抜きを増やす目的もあり、KERS(運動エネルギー回生システム)がF1に復活するほか、前を走るクルマに近づいたときのみリアウイングの角度を調整できる機構も導入される。これについてベッテルは、次のように語った。
「KERSについては、もうすでに分かっている。2009年にコース上でその効果を実感しているからね。でも、可変リアウイングについては少し分からない部分もある。まだ誰もああいったウイングで走ったことがないから、うまくいくのか分からない状態だよ」
「追い抜きが可能になるだけなら、いいアイデアだと思う。でも、追い抜きが簡単になってしまったら、それは作られたものになってしまう。誰もそんなことは望んでいないよ」
「KERSについては、どれだけいいシステムになっているか、どれだけ効率のいいシステムなのかという点が重要になる。パフォーマンスだけではなく、ブレーキング時にいかに素早くバッテリーを充電するのか、KERSを使ったときにクルマにどんな影響が出るのかも大切だね」
「2009年には、KERSを搭載したクルマに少しアドバンテージがあったけど、僕たちも懸命に取り組んでいかないといけない」
「結局のところ、それも不確定要素の1つに過ぎないんだ。毎年、不確定要素はある。今年はタイヤが替わるから、タイヤについても対応する必要がある。きちんと対応して、クルマにあったドライビングスタイルにしないといけないんだ。こういったことは毎年あるし、それに対応していかないといけない。気を引き締め続けることができるから、いいことではあるけどね」
そしてベッテルは、F1チャンピオンの証しであるトロフィーを、今年も持ち帰りたいと語った。
「昨シーズンが終わったとき、僕はとても疲れていたし、休む必要があった。でも、きちんと休んだからまた楽しみになっているよ」
「そういえば、去年に僕がモナコでもらった(F1チャンピオンの)トロフィーなんだけど、あれは自分の物としてもらえると思っていたんだ。でも、本当は違うんだよ。返さないといけないんだ。だから、あのトロフィーを僕の家に置き続けるため、今年も全力で戦わないといけないね!」