ザウバーの小林可夢偉が、2011年F1の開幕戦オーストラリアGPを前にした心境を語った。
小林可夢偉
「もちろん、日本のことが心配だったので、バルセロナでのテスト後に帰国しました。非常に厳しい状況だと言わざるを得ません。多くの方が亡くなり、家を失い、冬の寒さに凍えながら食料も水もない状態で、愛する人も失っています。映画なんかよりもひどい状態が現実に起こっているとは、とても信じがたいです」
「自分の国がなくなってしまうんじゃないかと思うほど心配でたまりません。地震と津波の発生以来、入ってくるニュースは日に日に悪いものになっていて、今の段階では前向きになれるようなものはありません。僕も何かをしなきゃいけない、支援をしたいと思いましたが、僕にできることは何もないのが現実です」
「少なくとも今は、メルボルンでの開幕戦に集中することが僕にできることだと思います。もともとは、この開幕戦をとても楽しみにしていました。でも今は、いい結果を残すために全身全霊で戦っていきたいです。たとえ少しでも、それが日本にいる皆さんの希望になるかもしれないので」
なお、ザウバーの2台は、日本語メッセージ「我々の祈り、日本に届きますように」をクルマに掲出してオーストラリアGPを戦う。