今季からF1のタイヤサプライヤーになったピレリが、スペインGPに新型のハードタイヤを投入。ピレリは耐久性が向上し、戦略の幅が広がると自信を見せた。
今年からF1にタイヤを供給しているピレリだが、ピレリのF1タイヤは耐久性の低さが大きな話題になっていた。これについてピレリは、F1のショー的要素の向上を希望する運営側から要請されて、耐久性の低いタイヤを供給していると説明した。
このピレリの主張を裏付けるように、今年のF1は昨年までに比べてタイヤ交換の回数が増えたほか、タイヤ交換の直前にはタイヤの性能が大幅に低下するため、これが追い抜きを増加させる結果につながった。これにより、より興奮するようなレースになったとの意見もあるものの、タイヤの耐久性が低いことは非難の対象にもなっていた。
そして、今週末にスペインGPが行われるカタルーニャ・サーキットは、タイヤへの負担が大きく、タイヤの摩耗が大きくなることで知られるサーキット。これに合わせてピレリは、スペインGPに持ち込むドライタイヤ2種類のうち、硬めのタイヤであるハードタイヤを改良。モータースポーツ責任者ポール・ヘンベリーは次のように説明する。
「徹底的なテストを行ってきた新タイヤによって、性能低下が抑えられ、タイヤの摩耗状態も向上する」
現在のF1では、雨用のタイヤを使用しない限り、レース中に2種類のドライタイヤ両方を使用することが義務付けられている。そのため、どのタイミングでどちらのタイヤを使うのかという判断が、戦略面で大きな要素になる。
今回ハード側タイヤの耐久性が向上したことから、ソフト側とハード側で耐久性の差が大きくなり、戦略の幅が広がるとヘンベリーは予想した。
「以前のハードタイヤに比べて、大きく変わったわけではないが、これでソフト側とハード側の差は大きくなる。これによって間違いなく、決勝がより面白くなるだろうし、チーム側はより独創的な戦略を採用するチャンスを手にした」
「テストで得たデータをもとに、バルセロナ(スペインGP開催地)では平均ピットストップ回数が1台あたり約3回になると予想している。バルセロナでは、ピットインとピットアウトに要する時間が(前戦の)トルコより長くなるので、これも戦略に影響を与えるはずだ」
【関連動画】
ピレリのF1 シミュレーション カタルーニャ・サーキット(英語)