公式タイヤサプライヤーとしてF1とかかわるからには、その立場を最大限、有効に。
これは、現在のF1タイヤサプライヤーであるピレリのモータースポーツ責任者ポール・ヘンベリーが、バレンシアで『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に語ったもの。ここで行われるヨーロッパGPは、ブリヂストンに代わってピレリがF1タイヤを供給するようになってから8戦目にあたる。
ヘンベリーによると、最初のアイデアは雨用タイヤだ。
「もし1回目と次のフリー走行ウエットの場合、土曜と日曜に向けてインターミディエイトがもう1セット必要になる。これは来季のレギュレーションに組み込むよう同意済みだ」
タイヤの基本的な構造およびコンパウンド(ゴムの材質、硬さ)についてピレリはおおむね満足だが、「マシン1台1レースあたり2回ないし3回のピットストップ」を目指しているとのこと。今季は時として4回のピットストップが見られることもある。
「シーズン中盤まで様子を見たかったんだ。イギリスGP(7月10日決勝)が終わったらチーム側と会って彼らに提示したいものが数件ある」とヘンベリーは話しているが、その後のプランとして、2013年には大幅にスピードを高めたタイヤを導入したいという。
「空力が削減されるので、少しばかりラップタイムを短縮させるタイヤを提供したい。方法はいろいろだよ。タイヤ別に持ち込む数量を増やすかもしれない。あるいは、全部で6種類の中から3種類を選んだりね」
「どうなるかはまだ分からない。多くのアイデアがある」
もう1つの考えは、「グリップ抜群」だが1周しかもたない予選用タイヤだ。
「結局そうしたアイデアはチーム側との決定事項だ。彼らがノーと言うかもしれないしね」と、ヘンベリーは言う。