1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブが、もうF1を見限ったと伝えられている。
昨年はF1への復帰を目指して懸命に動いていたビルヌーブだが、以前所属していたウィリアムズが来季からのルノーエンジンとの提携に際して催した昼食会に参加するため、4日(月)にオックスフォードのウィリアムズ本部を訪れていた際、『Reuters(ロイター)』へ次のように語っている。
「もうわざわざF1なんて見たくもないんだ。レースの途中であくびはでるし、本当につらくて、ただ気分が悪くなってしまうだけだよ」
ビルヌーブは、最も不快に思っているのがDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)による追い抜きシステムだという。ビルヌーブはDRSについて以前にも 「人工的すぎる」として非難していた。
DRSとは、追い抜き増加を目的に今年から導入されたシステム。2台が接近したバトルを行っている際、後ろのクルマのみリアウイングの角度を変え、一時的に最高速を上げることで、追い抜きをしやすくするものだ。
「DRSを使われると誰しも抵抗することさえできないんだ。ミハエル(シューマッハ/メルセデスGP)みたいにね。彼は本当ならカナダGPで表彰台に乗れてたはずなのに」
「DRSでの追い抜きは眠くなるだけだよ。無駄だし、退屈だし、そんなのレースじゃない」
ビルヌーブはまた、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)のように、ライバルとタイヤを接触させるほどのアグレッシブな走りを見せるドライバーに対して出されるペナルティーの多さにも否定的だ。
「それが面白いんだ。それこそがショーなんだ。ファンはグランドスタンドで立ち上がって叫び声をあげる。それがいいんだ。それこそが皆が見たいものなんだよ」