F1チーム、F1メディア価値の査定を依頼

2011年10月25日(火)

次期コンコルド協定の交渉を控えるF1。今回、チーム側がF1のメディア価値を査定するために専門会社を指定した。

コンコルド協定とは、FIA(国際自動車連盟)とF1チームの間でF1の商業的な権利など、さまざまな取り決めが書面にされている規定だが、その内容は非公開だ。現行のコンコルド協定は来年末に失効する。しかし、FOTA(フォーミュラ・ワン・チームズ・アソシエーション/F1チームの組織)は、新たな協定でF1収益のチーム側に対する分配額を増やすことができるか心配していると『Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)』が報じている。

このため報道によれば、FOTAは 新たなコンコルド協定を締結する前に『Evolution Media Capital(エボリューション・メディア・キャピタル)』という小規模の投資銀行にF1のメディア放映権の価値を査定することを依頼したようだ。この件に関し、関係者のひとりは次のようなコメントをしている。

「F1は世界でも2番目、3番目に入る規模のスポーツだ。だが、あらゆる金銭的リスクを侵しながらも参戦するチームが得る収益の配分は少ない。このスポーツには多くの価値があるのに、それを認識していないんだ」

今回の依頼にはF1の新聞やテレビといった従来のマスメディアの他にも、いわゆる「ニューメディア」における価値を査定することも含まれていると言われているが、『Evolution Media Capital』側からのコメントは今のところ出ていない。

『Evolution Media Capital』は米国の大手エージェンシーのひとつでもある『Creative Artists Agency(クリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー)』と提携しており、アメリカのプロバスケットリーグ(NBA)のフィラデルフィア・76ersの売却に際してもアドバイスをするなど、何十億ドルという規模の契約に関わっている。

この新たなコンコルド協定に向けた交渉は、F1界を揺るがしている汚職事件の裁判(10月24日開始)が終結してから行われるとみられている。F1の財務事情にくわしいイギリス、リバプール大学のトム・キャノン教授は『Bloomberg(ブルームバーグ)』に対し次のように述べている。

「この裁判はとても興味深いものになるだろう。今までどんな争いごとにもバーニー・エクレストン(F1最高権威者)は裁判沙汰になる前に解決策を見つけてきたが、今回はそれができなかった」

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