税金の問題やサーキット周辺の農家からの「妨害予告」などさまざまな問題に見舞われているインドGP(10月30日決勝)だが、またもや難題が生じた。
なんとかF1開催に向けた準備が整ったブッダ・インターナショナル・サーキット。先週は税金問題が原因でインドの最高裁判所がチケット売り上げの4分の1の差し押さえを指示するという事態にもなった。しかし、今回の問題はインドGPのメディアでの放映にかかわり、主催者側の『ジェイピー』にとっても、かなり手痛い損失になりかねないものだ。
『Hindustan Times(ヒンドゥスタン・タイムズ)』によれば、インドのテレビ局各社は、F1の運営を行うFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)がレース映像の提供をかなり限定的なものとしたことに反発し、グランプリに関する報道のボイコットを検討しているという。
この件について『ジェイピー』のコミュニケーション責任者のアスカリ・ザイディは、報道陣はレースを報道しなければいけないと警告している。
「メディア側が署名したということは、契約条件に同意したということだ。彼らにはこのグランプリを報道することを求める」
さらにザイディは、特に映像の利用に対してのFOMの制限は非常に厳しく、グランプリのプロモーターかつサーキットの所有者でもある『ジェイピー』ですら拒否されたと話す。
「私たちもFOMに対してカメラを持ち込んでよいかと、たずねたが断られた。検討してもらうよう頼んでも、1分間のレース映像を買う以外はダメだと言われたんだ」
このインドGPは開催に至るまで多くの問題を抱えてきたが、インド・モータースポーツ・クラブ連盟の会長ヴィッキー・チャンドックはこの経験から主催者側も今後のために色々学ぶだろうと強調している。
チャンドック氏は『Times of India(タイムズ・オブ・インディア)』に対し次のようにコメントした。
「インドはこのような大イベントを主催したことがない。インドGPは今までで最大だ。IPL(インドのプロクリケットリーグ)もコモンウェルス・ゲームズ(イギリス連邦に属する国々が参加して4年に1度開催される競技大会)もインドGPに匹敵しない」