ヒスパニア・レーシング(HRT)のオーナー、ホセ・ラモン・カラバンテは、ビジネスパートナーに対しておよそ5,000万ユーロ(約53億5,000万円)の借金を抱えている。これは、スペインの仲裁裁判所が裁定したもの。
カラバンテは2008年、トリニタリオ・カサノバからグルーポ・ヒスパニアを買い取ったが、昨年の中ごろ、互いに数百万ユーロの債務を主張、紛争に発展した。
スペイン「ラ・ヴェルダ」紙によると、マドリッドの商業裁判所「ラ・コルテ・イ・メルカンティル・デ・アルビトラヘ」は数日前、カラバンテが二十日以内に4,750万ユーロ(約50億8,250万円)をカサノバに支払うよう言い渡した。
ところが同じスペインの『Expansion(エクスパンシオン)』紙は、「トリニタリオと私は(裁定の)前に合意に達した」とするカラバンテの発言を報じている。
同じ記事でカラバンテは、不振だったHRTの2010年デビューシーズンについて次のように弁解している。
「われわれは他の多くのチームより完走を果たした。それに、より多額の予算があるヴァージンなどは、われわれの成績を下回っている」
「当初、われわれは開幕戦に出ないんじゃないかと言われていた。その後も2戦で終り、3戦がせいぜいだと言われたが、結局は誇りをもってシーズンを終えている」
さらにカラバンテは、ある投資家とのあいだで合意が間近とも語った。
「国際的な投資家の参入について交渉が進んでいる。資本比率は少数となるだろう。全権を売り渡したくはないのでね」
コリン・コレスを代表にしているHRTは7日(金)、2011年に向けて「資本を増強」したことで「競争力を増す」自信があると述べている。