マクラーレンで長いキャリアを送るロン・デニス(マクラーレン・グループ会長)にとって最悪の思い出、それは1995年オーストラリアGPでひん死の重傷を負ったミカ・ハッキネンの事故だ。
長きに渡ってイギリスのウォーキングを本拠とするマクラーレンのチーム代表を務め、現在は会長に就任し、会社の株式も有している63歳のデニス。最良のときは、代表になって初めてニキ・ラウダとともにタイトルを獲得した、1984年だという。
デニスはフィンランド『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙に、こう語る。「最高の一瞬かい? もちろん、最後にルイス(ハミルトン)と獲ったタイトルと言いたいところだが、私にとってはニキで得た初めての栄冠がいちばんだね」
また、最悪の出来事についてデニスは躊躇(ちゅうちょ)せず、語った。
「もっとも辛かったのは、ミカの事故後、アデレードの病院に向かった時だね。私のクルマでひとりのドライバーが命を落としたかも知れなかったのだから。運良く、それは免れたがね」
デニスは、マクラーレンでベストのドライバーにハッキネン、ルイス・ハミルトン、アイルトン・セナの3名を上げた。
「ミカの率直さ、ルイスの妥協なき姿勢、アイルトンの情熱、それが3人を選んだ理由さ」